浅田次郎『降霊会の夜』(朝日新聞出版社,2012)を読む。
著書と同じ1951年に生まれた主人公が登場する。著書自身も団塊世代に近く、高度経済成長の光も闇も経験しながら、総じて幸福な人生を送れた世代である。そうした世代が還暦を迎え、ひょんなことから霊媒師と出会い、忘れ去ってしまった自分の失敗や悔悟を思い出し、既に死者となった友人や恋人と対話する物語である。小説としてだけでなく、学生運動のバリケードなどの歴史もちょくちょく挿入され、芥川賞作品のような香りもする作品であった。
今この文章を栃木市のホテルのベッドで書いている。酔っているので文章がまとまらない。