高護『歌謡曲:時代を彩った歌たち』(岩波新書,2011)をパラパラと読む。
歌謡曲の歴史は、1928年に発売された「波浮の港」と翌29年の「東京行進曲」に始まる。戦後になって「リンゴの唄」を皮切りに、和製ポップスが華開いて行く。
聞いたことのある歌手や曲が次々と紹介され、時代に連れて日本の歌謡曲が発展していく流れが丁寧に書かれている。「USA」以降、カヴァー曲のヒットは思い当たらないが、洋楽のカヴァー曲も日本の歌謡曲のメインストリームをなしている。
また、曲調はリズムやメロディも様々変化するが、ヒットした歌の歌詞は戦前の「東京行進曲」から現在まで、七五調もしくは五七調となっている指摘は面白かった。
もしもし かめよ かめさんよ 7・5
せかいの うちに おまえほど 7・5
あゆみの のろい ものはない 7・5
どうして そんなに のろいのか 7・5残酷な 天使のように 5・7
少年よ 神話になれ 5・7
残酷な 天使のテーゼ 5・7
窓辺から やがて飛び立つ 5・7
ほとばしる 熱いパトスで 5・7
思い出を 裏切るなら 5・7
この宇宙を 抱いて輝く 5・7
少年よ 神話になれ 5・7