日別アーカイブ: 2024年4月14日

『20世紀理科年表』

山口幸夫『20世紀理科年表』(岩波ジュニア新書 1986)を読む。
タイトル通り、1901年の第1回ノーベル賞から元素、ライト兄弟、真空管など、科学の世紀を彩る発明や発見が紹介されている。著者は物理学を専門としているので、相対性理論や量子力学、原爆・原発に紙幅が割かれている。

アメリカのハッブルは、ボクシング選手として世界チャンピオン級だったが、学位までとって法律家になり、父のあとを継いだ。が、天文学の魅力にとりつかれて、とうとう天文学者になってしまった多才な人である。1929年に宇宙は膨張し続けていることを発見し、天文学では20世紀最大の発見といわれている。

第二次世界大戦後、マンハッタン計画に参加したアメリカの科学者たちは、「もう原爆はつくるな」というフェルミやオッペンハイマーたちと、「もっと強力な核爆弾をつくろう」と主張する人たちとに分かれた。そして、後者の意見が主流となった。ソ連もアメリカに負けまいと、水爆開発をすすめた。“水爆の父”と呼ばれるテラー(米)を中心とする人たちは、1952年から、住民をたちのかせたマーシャル諸島で水爆の実験をくりかえしていた。第五福竜丸はそのビキニ環礁での水爆実験の被害者となっている。

『オッペンハイマー』

春日部イオンへ、クリストファー・ノーラン脚本・監督、キリアン・マーフィー主演『オッペンハイマー』(2023 米)を観に行った。
世界初の原子爆弾を開発した「原爆の父」として知られる理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた伝記映画である。途中30分ほど爆睡したのもあり、延々と聴聞シーンが続いて面白くはなかった。

ただし、オッペンハイマー博士は科学者としての誇りを捨てなかった人で、戦後は水爆の開発には携わらず、自身が中心となって進めたマンハッタン計画(原爆開発)にも、後悔を示している点は分かった。なぜ、日本での公開が遅らす必要があったのか。