海野一隆『地図の文化史』(八坂書房 1996)をパラパラと読む。
現存する世界最古の地図として知られる、カフカスのマイコプ遺跡から出土した銀製の壺の表面に描かれた紀元前3000年頃の地図に始まり、有名なバビロンの世界図やエラトステネスの世界図、プトレマイオスの世界図、マテオ・リッチの「坤輿万国全図」など、百科事典なみに紹介されている。
著者は1921年生まれで、第七高等学校造士館を経て、京都帝国大学文学部に進学し、大阪大学で人文地理学を担当していた学者である。地図一つ一つについての解説は詳しいが、いかにも辞典的な説明で、いまいち興味が沸かなかった。