河野哲也『レポート・論文の書き方入門 第3版』(慶應義塾大学出版会 2002)を読む。
大学の通信教育のレポート添削指導の経験を踏まえて、構成の仕方や参考文献の書き方、注の付け方など、社会科学のレポート作成のハウツー本となっている。特に接続詞や接続表現のまとめが良かった。
日別アーカイブ: 2024年1月1日
『下水のリン 肥料に』
本日の東京新聞朝刊に、東京都の下水処理施設で、汚泥から肥料に用いられるリンを取り出す実証実験が始まるとの記事が掲載されていた。リンはトマトやナス、キュウリなどの果菜類の生育に欠かせない肥料である。ちょうど国内で栽培・消費されている野菜なので、肥料の自給化は食料安全保障の観点からも、今回の実験は成功してほしい。
昭和30年代までは、日本全国で肥溜めを活用していた。日本人のリサイクルの根底を成す部分である。リンや窒素が海洋に流れ込むと、富栄養化で植物プランクトンが大量に発生し、赤潮や青潮、アオコの原因ともなる。日本の漁業は沿岸部での養殖漁業が支えている。今回の取り組みは農業だけでなく、漁業にとっても福音となるであろう。
『ドクトルマンボウ途中下車』
北杜夫『ドクトルマンボウ途中下車』(中央公論社 1966)を読む。
今から50年以上前のエッセーで、開通したばかりの新幹線に乗った体験や、日本復帰前の沖縄旅行、戦前の信州登山など、ド昭和な時代を感じる内容が多かった。ただ、1966年当時でさえ、高速道路や観光施設など、最近の便利な世の中に対する恨み節が多く、戦後の20年の変化と21世紀に入ってからの20年の変化の違いに驚く。果たして現在は成長しているのか、衰退しているのか。