日別アーカイブ: 2022年5月22日

「原発の攻撃対処『国の検討課題」

本日の東京新聞朝刊に、国内の13道県に立地する原発に対する他国からの武力攻撃への不安についての記事が掲載されていた。
私は日本に原発は不要であり、即時廃炉すべきだと考える。1つ目の理由は地震や津波である。東日本大震災では、マグニチュード9.0の規模の揺れが原因で、格納容器が致命的な損傷を受けている。続く津波で外部電源を失い、炉心を冷やすことができず水蒸気爆発を起こしている。そして今現在も放射能に汚染された水が1日に130トンも排出されている。

2つ目の理由は原発の使用済み核燃料の最終処分地が決まっていないことである。10万年もの間安全に保管すべきゴミの処分先が決まっていないのに、原発の再稼働がおかしいことは小学生でも分かる理屈である。現在青森県六ヶ所村に原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、もう一度原発の燃料とする再処理工場の建設が始まっている。といっても1993年に着工が始まり、1997年には完成予定だったが、2022年の現在も未だ完成の見通しすら立っていない。つい先日26回目の完成延期を決めたばかりである。

3つ目の理由は記事にもある安全保障の点である。日本海を挟んで北朝鮮や中国、ロシアといった国があるにも関わらず、ミサイル1つ被弾しただけで日本国土の半分が汚染される危険な原発を維持する必要があるのかということだ。こちらも日本政府は六ヶ所村と同じ過ちを犯している。1年生の授業で北朝鮮のミサイルについて触れた。領海の外の排他的経済水域内に落ちたので、日本政府は批判をするだけで何もできないという説明をしました。

では北朝鮮のミサイルが日本の領土に落ちると計算された場合、日本はどう動くのでしょうか。日本近海には米国からバカ高い値段で買わされたイージス艦という軍艦が配置されています。イージス艦とは高度なレーダーとミサイル迎撃システムを備えた最強の軍艦ともいわれています。他国からのミサイルが日本の国土に落ちる前にイージス艦から対空ミサイルが発射されることになっている。また、イージス艦がたまたま不在のこともあるので、PAC-3と呼ばれる地上の地対空ミサイルシステムが、日本各地の自衛隊基地に配備されている。

そんなロボットアニメのようなミサイルを撃ち落とすミサイルで、日本の国土や国民、原発が守れるのか、いや守れるはずがない。(反語表現)。。。。

しかし、ウクライナでは、NATOから供給された地対空ミサイルでかなりの数のロシアのミサイルを撃ち落としているとのこと。。。。

採点疲れのため、ここで終了。

「中国、新たなガス田試掘か」

本日の東京新聞朝刊に、日中の排他的経済水域の中間線に隣接する海域で、中国が天然ガスを採掘するための構造物を設置しているとの記事が掲載されていた。授業の復習になるが、排他的経済水域とは海岸線から200海里まで範囲で、航行や上空の飛行は自由に行えるが、域内の海洋の漁業資源や海底の鉱産資源については沿岸国の権益が認められており、他国が自由に利用することができないという国連条約に基づく決まりである。但し200海里(約370km)が隣接国と重複する場合は沿岸からの中間線で範囲が決定される。

記事にある地図と教科書のEEZの地図を見比べれば、韓国と中国との中間線がはっきりとわかると思う。今回の構造物の建設はあまりに露骨である。「日本は認めることができない」と断言した岸田総理がどのような行動に移るのか着目しておきたい。選択肢の1つに加えておくことだ。課題を共有しつつ後世に判断を委ねる「鄧小平路線」を継承したい。

『大学の真の実力 情報公開BOOK』

螢雪時代編集部『大学の真の実力 情報公開BOOK』(旺文社 2020)をパラパラと読む。
全国の国公私立大学の入学定員、入学志願者総数、合格者数、入学者総数に始まり、地元占有率や女子入学者数、入試の種別などが羅列されたデータ集である。

入学者定員100名に対し、新入生が45名の愛国学園大学や、入学定員5名のところ3名の入学者があった東京神学大学などの例外もあるが、地方を含めほとんどの大学でほぼ入学定員に近い充足数となっている。背景には定員ギリギリに近づけることができる補欠合格制度が当たり前になったこともあるのだろう。

また、入学者が実際にどの入試制度を利用したのかというデータも興味深かった。玉川大学観光学部は入学者93名のうち、一般受験はたったの3名である。AO入試が33名、公募が1名、指定校が48名、附属・系列が8名となっている。立正大学法学部も345名の入学者のうち一般は17名、AOが44名、公募が8名、指定校が235名、附属・系列が16名である。ただし、これらはあまり驚くデータではなく、上智大学は全学部で一般合格者に比率が50%を割っている。

国立大学は一般がほとんどだろうと思っていたが、公募の比率が高くなっている。群馬大学理工学部は入学者522名のうち、一般受験が339名である。公募推薦が163名にのぼる。

また、早慶の人気学部も附属・系列校から受け入れをせざるを得ず、早稲田の政経学部は入学者738名のうち一般が310名と5割を切っている。また、慶應大学法学部も1,248名の入学者に対し、一般受験はたったの430名に過ぎない。理工系は一般が多いかと思いきや、早稲田大学の基幹理工学部は入学者581名に対し、一般受験は231名しかいない。おそらく名前が通った学部ほど附属・系列からの希望を優先する経営判断が働いているのであろう。

面白いのが附属から全く進学しない大学もある。武蔵大学は全学部合わせても附属からたったの4名しか進学していない。麗澤大学や聖学院大学、松蔭大学や鶴見大学なども高校は進学なので、ほとんど系列の大学には進学していない。大学が高校を作ったら人気校になるが、高校が大学を作っても見向きもされないという法則がデータによって裏付けされている。おっと、フェリス女学院大学は高校からの進学者がゼロである。高校は横浜の中心にあるが、大学は横浜市の外れにある立地条件も悪かったのであろう。

学生一人あたりの図書の貸し出し数まで掲載されている。東洋大学が5.7冊となっている。日本文化大学はその10分の1の0.5冊である。