海野和男『デジカメ自然観察のすすめ』(岩波ジュニア新書 2004)を読む。
当時500万画素のデジカメが登場し始めた頃であり、デジカメでもフィルムカメラと比べて遜色ない写真が撮れるようになり、アマチュアの域を超えた写真の撮り方が解説されている。スマホ全盛の今では内容も色褪せているが、ストロボの前に付けるディフューザーの解説など分かりやすかった。
日別アーカイブ: 2022年5月14日
「難民認定過去最多74人」
本日の東京新聞夕刊に、昨年2021年の日本の難民認定が74人だったとの記事が掲載されていた。
出入国在留管理庁のホームページで確認したところ、2021年の難民認定申請の処理数は6,150人であり、前年に比べて711人(約13%)増加している。その内65人が認定されているので、約100倍の狭き門となっている。また、不服申立ての処理数は7,411人であり、前年に比べて936人(約14%) 増加している。その内、不服申立てに「理由あり」とされた者(認定者)が9人で、 「理由なし」とされた者(不認定者)が6,732人となっている。主な国籍はスリランカ、カンボジア、ネパール、パキスタン、バングラデシュとなっており、人口増加と中国インフラが忍び寄る南アジア出身の人たちが目立つ。
記事をパッと読む限りでは、難民認定に寛容になったと受け取れるが、元々の難民認定申請そのものが増えており、認定率はさほど改善されていない。ただし、主にミャンマー人だが、難民とは認定しなかったものの人道的な配慮を理由に在留を認めた者が580人となったのは評価して良い数字である。
難民認定の話は、特に高校生世代にとって身近な話であり、授業中のディベートのテーマとしたいと考えている。もし高校卒業後に付き合う彼氏・彼女が、労働ビザで来日した外国人だったらという流れを考えている。
「米、ASEAN支援強化」
本日の東京新聞朝刊より。
地理総合の授業で1秒でさらっと触れた東南アジア諸国連合(ASEAN)に関する記事である。
ASEANはもともと1967年に東南アジアの中心であるシンガポール(ハブ空港で扱いました)を中心に、周辺のインドネシア、マレーシア、フィリピン、タイの5カ国で発足した地域共同体である。現在ではさらに周縁のベトナム、カンボジア、ラオス、ブルネイ、ミャンマーの5カ国が参加し、東ティモールを除く東南アジア10カ国が参加している。世界第4位の2億7000万人の人口を抱えるインドネシアが含まれているので、ASEAN全体で日本の5倍の6億5000万人の人口を数え、中国、インドに次ぐ巨大市場となっている。
授業では触れることができなかったが、マレー半島のマラッカ海峡が含まれており、地政学的には重要な位置を占めている地域でもある。ここ数年、米中対立がエスカレートする中で、中国だけでなく米国もASEANへの擦り寄りを示している。南シナ海の不安定な情勢と絡めて、経済だけでなく、米英豪、日米豪印の軍事同盟や国際政治といった点を意識すると、教科書の太文字ゴシックの用語もキラキラと輝いて見えますよ。