E・アイザック著『栽培食物と家畜の起源』(大明堂 1985)をパラパラと読む。
タイトルにある通り、約35,000年前から14,000年前の後期旧石器時代に始まる栽培化と家畜化に関する考察の専門書である。
ざっくりまとめると、著者は西アジア(近東)に栽培化と家畜化の原点があり、その動機を経済的側面よりも宗教を中心とした文化的側面に求めている。特に家畜は紀元前55000年頃から、牛、馬、豚、羊、ヤギ、ロバ、ラクダに加え、リャマやアルパカ、トリなどであり、人間と家畜の関わりそのものはほとんど変化がない。
最後に著者がいずれクローン技術の発展により、ニンゲンの家畜化が進むと予言しているのが興味深かった。