月別アーカイブ: 2022年1月

「エジプト 再エネ増 電力輸出を後押し」

本日の授業で紹介した記事である。
エジプト内陸部の砂漠で、100万世帯以上分の発電能力を備えたメガソーラーが稼働しているとの記事である。37万平方キロの敷地ということは、東京ドーム800個分の広さである。
授業ではエジプトの気候(BW)と日本の気候(Cfa)の比較から、日本では太陽光発電に限界がある点を説明した。また、日本は国土の75%が山地となっており、そもそもメガソーラーを設置できるだけの敷地がない。山地を利用しようとすれば、盛り土で造成しないと、ソーラーパネルをしっかりと固定することができない。しかし、盛り土した部分は大地震や大量の降水によって地滑りを起こしやすくなる。

こうした記事を読むたびに、日本は天然ガスで20〜30年の急場を凌ぎながら、地熱や洋上風力、海流など、日本周囲の地形を活用したエネルギー開発に注力すべきだという持論に立ち返っていく。共通テストで高得点を狙うノウハウも伝えながら、地形とエネルギーの関係について、生徒と一緒に答えを探す授業を提案していきたいと思う。

「英 温暖化防止へ『肉断ち』浸透」

 本日の東京新聞夕刊記事より。
英国で完全菜食主義が浸透しつつあるという。記事では嫌われ者となっている肉類は人件費や輸送コストが高くつき、牛肉1キロ生産するのにとうもろこしは11kg必要となるなど、お金と環境負荷の高い食材である。そのため、地理では一人当たりのGNIと肉食率は比例すると教える。

しかし、日本と一人当たりのGNIが変わらない英国で肉食が減ってしまうと、上記の地理の定理が崩れてしまう。卵も食べないとなると、必須アミノ酸を含む動物性タンパク質はどうやって摂取するのであろうか。魚? 昆虫?

「環境相、盛り土を問題視 メガソーラー見直し要求」

本日の東京新聞朝刊記事より。
先週、今週と授業の中で共通テスト地理Aの演習を行った。即答できるほど簡単だったが、盛り土からの崖崩れに関する問題が出題されていた。昨年の7月に静岡県熱海市で盛り土を含む土砂災害があり、20人を超える犠牲者を出した事件事故が記憶に新しい。崩落起点から南西に20 – 30 m離れた所に太陽光発電施設があったことも問題視された。また、事前段階で盛り土の危険性を見逃してた行政への批判も起こったところである。記事ではメガソーラー建設に伴う森林伐採と盛り土造成に対し。環境大臣が意見書を経済産業省に提出したとある。国土交通省や埼玉県、小川町ではなく、環境相というところが驚く。

化石燃料に対する批判が高まるのに比例して、再生可能エネルギーの主力でる太陽光発電に大きな期待が寄せられてきた。しかし、記事ではメガソーラーの設置そのものが環境と周辺の安全性を脅かしている     説明

「ウクライナに親ロ政権画策」

本日の東京新聞朝刊より。
連日ウクライナへのロシアの侵攻が秒読み段階に入っているとの報道が続く。
記事ではウクライナへの侵攻に前後して、親ロシア政権の樹立に向けて、ウクライナの政治家に働きかけをしているらしいとの、未確定な部分の多い内容となっている。

こうした米中路露の大国が、小国の反政府活動を支援して、軍事クーデターでもって当該国に近い政権を樹立するというのは国際政治の常識である。冷戦化の中南米においても、エクアドルやボリビア、ウルグアイ、チリなどで、米国の支援を受けた軍部がリベラル政権の転覆を図り、米国とのパイプを重んじる親米政権がいくつも誕生している。私たちが暮らすこの日本も同じベクトルに位置づけられるのかもしれない。

この手の話は、政治的な思惑が蠢く、観測記事的な要素が多分に強く、007 の映画のようで興味深いが、大騒ぎしない方がよいだろう。