月別アーカイブ: 2018年1月

岩槻文化公園

午前中、ショップの人たちと35キロほどゆっくり走ってきた。風が強く、思った以上に足に疲れが出た。
越谷〜岩槻〜蓮田〜白岡と繋いだのだが、全く知らない自転車道を走って面白かった。

『SLY』

吉本ばなな『SLY』(幻冬社 1996)を読む。
西村賢太氏の仄暗い小説を続けて読んだので、気分転換のつもりで手に取ってみた。
エジプトの取材旅行をもとにした、観光案内とも紀行文とも取れるような小説となっている。作者自身もあとがきの中で「風景にふらふらと流されてゆくだけのずるく切ないやり方しかできない人間たちの想いを小説にしました」と述べているように、薄い味付けの内容となっている。
途中、吉本ばななさんならでは感性あふれるというか、男性では絶対書けない一節が印象に残った。

 昔、妊娠したと思ったことがあった。うんと若い頃、喬と住んでいる頃だ。
 別に体調も悪くないのに、生理が来なかったのだ。それに顔が何だか優しくなった。
 相手は喬しか考えられなかったが、産めるわけがなかった。でもある真昼、いよいよ明日は病院に行こう、と思った瞬間、ものすごく困った…という気持ちを押しのけて突然に暴力的な喜びが私を襲った。
 本能が理性を打ちのめした瞬間だった。
 嬉しさが全身を貫き、息もできないほどだった。
 街を行く人々、誰も彼もが全員、この嬉しさの洗礼を経てこの世にいるのだと思うと不思議だった。
 そして「もしかすると私は今、ひとりではない、体の中にいる誰かとこの風景を見ているのだ。」と思った。
 結局、それから1週間後に生理が来てすべてが幻想だったことがわかったが、その時の感慨を忘れることはなかった。それで少しだけ、この世の仕組みがわかったような気がしたことも。

 

埼玉県議会への抗議文賛同の署名

以下、メーリングリスト【脱原発テント日誌1月3日(水)版】より転載します。

浦和スタンディングhttp://blog.livedoor.jp/ura_sta/


お知らせとお願い  転載

初めて投稿します。埼玉県の白田と申します。

 SNSではかなり拡散されておりますので、ご存じの方も多いと思いますが、埼玉県議会は、12月22日の本会議最終日において、「原発の再稼働を求める意見書」を自民党と無所属県民会議の賛成多数により採択しました。
 このような意見書提出の動きがあるとは、私たち県民はつゆ知らず、23日の東京新聞埼玉版の記事で初めて知り、大変驚きました。
 原発を持たない埼玉県が再稼働を求める、他県に犠牲と負担と危険をおしつけて平然としているその厚顔無恥さに私たちは心底怒っております。賛成した議員たちは、原発事故から何も学ばず、福島の現状からも目をそらしている。そして、何より腹立たしいのは、こんな県議会を私たち埼玉の有権者が「選んだ」ということです。

 もちろん、私や私の仲間たちは自民党や県民会議に投票したことなどありません。しかし、そうなってしまいます。SNSを見ていると、「埼玉が原発を誘致しろ」「核のゴミを全部引き受けろ」という声があふれています。もっともなことです。そういわれて当然です。私たち埼玉県民は身の縮むような思いでそれらの声を受け止めております。

 私は仲間とともに、26、27日と朝の埼玉県庁前で抗議のスタンディングを行い、県庁職員にビラ配りをしました。年明けも4日仕事初めの朝から、抗議に立つつもりです。
 また、抗議文を県議会に提出すべく、今、賛同してくださる個人・団体を募っています。埼玉県議会の愚行に、怒りあきれているとは存じますが、決して県民の総意ではありません。私たちは責任を持って「私たちが選んだ」埼玉県議会と戦います。どうか私たちに力を貸してください。抗議文に賛同をお願いします。

賛同は1月9日24時まで受け付けます。
1月10日に提出予定です。
賛同いただける方は、sirotama@kbf. biglobe.ne.jpまで、
・お名前
・お住まいの自治体名
・公表の可否
をお知らせください。

団体も受け付けますので、ぜひお願いいたします。

『歪んだ忌日』

西村賢太『歪んだ忌日』(新潮社 2013)を読む。
表題作のほか、雑誌「新潮」や「文學界」に掲載された『形影相弔』『青痣』『膣の復讐』『感傷凌轢』『跼蹐の門』の芥川賞受賞後に書かれた5編が収められている。芥川賞受賞作となった『苦役列車』に続く、北町貫太主人公の私小説となっている。家を出た15歳の頃や秋恵との同棲生活時分や別れた後の「慊い」生活を描く。
年の始まりから西村作品を続けて2冊読んだが、何かもうお腹いっぱいな感じである。