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『あたしのこと憶えてる?』

内田春菊短編集『あたしのこと憶えてる?』(新潮社 1997)を読む。
表題作の他、「小説新潮」や「小説現代」などに掲載された短編8編が収録されている。
表題作こそ普通の恋愛小説であったが、他の作品はひたすら女性視点でエロスと恋愛が描かれる官能小説となっている。
男性向けのエロ小説と違って、この場面で体を許すor許さない、許すからには次に何を求めるのか、といった女性ならではの駆け引きが随所で描かれる。
主人公とのセックスや変態プレイから離れられなくなってしまう恋人の姿が一様に哀れであった。