月別アーカイブ: 2015年2月

宮崎駿、語る

以下、メーリングリストより転載します。


TBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』で16日、宮崎駿監督が発言しています。以下にまとめると、

★安倍首相に対して/
「世界的な無秩序がこれからさらに起こってくると思うんです。そういうときに、安倍さんの言っていることはシンプルすぎる。そういう懸念は僕はもっています」「(安倍首相は)もう少し腹になんか複雑なものをかかえて、何かをやらないと……。そのとき、平和憲法がとても役に立つんですよ。俺たちはこの憲法を守らなきゃいけないんでね、そっちにいきたくてもいけないんですってね」「(『永遠の0』を例に)それ(美化するの)がいちばん楽なんです。そうやって総括してしまうのが。そうすると、そこからいつまでたっても抜けだせないですね。自分たちの歴史に対するものの見方もそこから抜け出せないです。もうナルシシズムなんですよ」

★そして、2013年発行のスタジオジブリの小冊子「熱風」7月号では/
「憲法を変えることについては、反対に決まっています。選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです。本当にそう思います」「政府のトップや政党のトップたちの歴史感覚のなさや定見のなさには、呆れるばかりです。考えの足りない人間が憲法なんかいじらないほうがいい。本当に勉強しないで、ちょこちょこっと考えて思いついたことや、耳に心地よいことしか言わない奴の話だけを聞いて方針を決めているんですから」「それで国際的な舞台に出してみたら、総スカンを食って慌てて、村山談話を基本的には尊重する、みたいなことを言う、まったく。基本的に、って何でしょうか。おまえはそれを全否定してたんじゃないのか?と思います。きっとアベノミクスも早晩ダメになりますから」

★慰安婦問題や領土問題にも踏み込んでいます/
「(戦前の日本は)悪かったんですよ。それは認めなきゃダメです。慰安婦の問題も、それぞれの民族の誇りの問題だから、きちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです。領土問題は、半分に分けるか、あるいは、両方で管理しましょう、という提案をする。この問題はどんなに揉めても、国際司法裁判所に提訴しても収まるはずがありません。かつて日本が膨張したように、膨張する国もあります。でも、その度に戦争をするわけにはいかない。そんなことよりも、今は、日本の産業構造を変えていこうというまじめな取り組みをすべきだと本当に思いますよ。こんな原発だらけの国で戦争なんかできっこないじゃないですか」「ものの見方が全然変わってたんです。経済とか社会とかいろんなものを抜きに飛行機を語るのはくだらないと。(中略)でも、相変わらずバカがいっぱい出てきて、零戦がどうのこうのって幻影を撒き散らしたりね。戦艦大和もそうです。負けた戦争なのに」(ロッキング・オン「CUT」13年9月号)

〈集会等お知らせ〉

★◎東京都歴史教育者協議会 研究集会(2/22)のお誘い♪
  第2次世界大戦・アジア太平洋戦争終結70年、この70年間に何が出来、何が出来なかったの
 でしょうか。アジアを歩き、アジアの視点で考えてきた内海愛子さんから「アジアから見る日本
 ―『戦後』70年と私たち」というテーマでお話していただき、ご一緒に考えてみませんか。
 午後は分科会にわかれ、社会科授業や取り組みの報告と検討の会です。どなたでも
 参加いただけます。ぜひ、御参加下さい。

 ◎講 演:内海愛子さん(恵泉女学園大名誉教授)  「アジアから見る日本―『戦後』70年と私たち」
 ◎日 時:2015年2月22日(日)10:00~16:30(9:30開場)
  ①講演(10:10~12:00 講演と質疑応答)
  ②分科会(13:00~16:00 会員による実践報告)
 ◎会 場:筑波大学附属駒場中・高等学校 京王井の頭線駒場東大前西口下車7分
  東急田園都市線池尻大橋北口下車10分 渋谷より東急バス(渋51,渋52 駒場下車1分)
 ◎資料代:会員500円/学生会員無料/一般800円/学生500円
 【中学校分科会の報告】
  ・「戦中・戦後体験の聞き取りをどう授業に活かすか?」
  ・「日本地理から政治学習へ」
 【平和と人権分科会の報告】
  ・「夜間中学および自主夜間中学の現状と、義務教育拡充法案成立のための国会院内集会に
    関する報告」
  ・「特別授業『3・11』から3年」
 【戦争と戦後を考える分科会の報告】
  ・「シベリア抑留と戦後補償問題」
  ・「日本軍の侵略の傷跡を訪ねて―マレーシア・シンガポールでの掘り起こし・交流・和解」
 詳しくは以下のホームページをご覧下さい。お待ちしています。
 東京都歴史教育者協議会http://tokyo-rekkyo.jimdo.com/

『福祉を変える経営』

小倉昌男『福祉を変える経営:障害者の月給一万円からの脱出』(日経BP 2003)を読む。
10年ぐらい前、社会福祉士の試験を受けた時に購入し、ずっと本棚に眠っていた本である。

著者の小倉氏は「クロネコヤマトの宅急便」の開発で当時の運輸省や郵政省と闘った経験から「規制撤廃」の実行者として知られている。小倉氏は、1996年に会長を退任した後、私財を投じて立ち上げたヤマト福祉財団の理事長に専念し、無報酬で障害者の自立支援にあたってきた。残念ながらこの本が刊行された2年後に亡くなってしまったのだが、商売を成功に導くことで、障害者の地位や賃金を向上させ、引いては福祉全般を資本主義のルールで支えていこうという著者の思いがよく伝わって来る内容であった。

書き下ろしではなく、障害者施設の関係者向けのセミナーのレジュメを活字化したもので、同じような内容の言い回しが重複するところが散見されるが、具体的な事例の紹介であったので、すーっと読むことができた。

著者は、福祉のバザーでしか売れないような小物を作って、障害者の「居場所」を確保するだけの共同作業所や、「福祉的就労」と称して、障害者の能力を下に見て新聞の折り込みやボルト打ち付けなどの下請けの仕事しか扱わない施設のあり方に疑問をぶつける。

——いま、障害者に必要なのは、社会に出て健常者と肩を並べて仕事をし、自立できるだけの給料をとる仕組みをつくることではないか。それが真のノーマライゼーションだろう。ならばその手始めとして、障害者が集う共同作業所を改めて「仕事の場」と位置づけ、ちゃんとおカネが稼げるところにすべきではないだろうか。作業所の実態が、障害者のデイケアが目的、というのはいくらなんでもおかしい——。

今まで当たり前と思っていた現実を「自分の感覚」で捉え直し、ストレートに怒りをぶつけていくという小倉氏の姿勢は、経営者という枠組みに留まらず、どんな時代や分野、立場においても大切にしていきたいと思う。

『愚直に』

樋高剛『愚直に:復興・環境を軸として』(年友企画 2012)を読む。
地元の後援会に配布する目的で作られたのであろうか、震災当時民主党の環境大臣政務官として活躍された著者が、当時の民主党の綻びや敬愛する小沢一郎氏への思い、また、自らの政治活動の手腕とその実績を誇るという内容である。著者の樋高氏は、現在「生活の党と山本太郎となかまたち(笑)」党に所属しており、残念ながら落選の身である。
いわゆる自らを売り込むための「政治家本」なので、とやかく言うことはないが、著者が主導したという2011年5月施行の「東日本大震災に係る災害廃棄物の処理指針」や2011年8月公布の「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法」、2011年8月に成立した「放射性物質汚染対処特措法」などの成立の背景が整理できた。

これまで災害廃棄物は一般廃棄物とみなされ、市町村で処理を行うことされてきた。しかい、東日本大震災では市町村の行政機能が損なわれてしまったため、県に委託する形が多くの自治体でとられることになった。しかし岩手県と宮城県では県内での処理が困難なため、環境省が間に入り、県外で処理を行う「広域処理」計画が策定されることになった。また、福島県内の災害廃棄物については、8,000Bq/kgを超える「対策地域内廃棄物」に該当するため、県外での広域処理もできず、国による直轄の処理が適用されている。
また、「放射性物質汚染対処特措法」では、計画的避難区域に指定されていた地域は「汚染特別地域」に指定され、国が直轄で汚染を行うこととなった。除染除去土壌等は、中間貯蔵施設に搬入後30年以内に県外処分されることになっている。

現在、この中間貯蔵施設は原発のあった大熊町と双葉町に建設が予定されているが、「中間」のまま、移転先がなく「永久貯蔵施設」になってしまうことに懸念が示されている。また、この中間貯蔵施設に受け入れについても多額の交付金が動いており、地方に押し付ける構造は変わっていない。

お遊戯会

DSC_5858

本日は真ん中と下の子のお遊戯会があった。
真ん中の子は桃太郎の劇、下の子はカエルの歌の合唱であった。
真ん中の子は前々日に40度近い熱を出して参加が危ぶまれたが、熱も下がってかすれ声で無事に家来の犬の大役を務めることができた。
下の子は始まる前にグズっていたが、本番は緊張に飲まれたのか、周囲に合わせて動いていた。
かれこれ幼稚園のお遊戯会も連続7回目となった。あと3回残っているのだが、子どもの成長を願うと同時に、まだまだ幼稚園生活を楽しみたい親の感情もある。