奥山益朗『正しいようで正しくない敬語』(講談社+α文庫 1994)を5分の1ほど読む。
1975年に刊行された『現代敬語読本』に加筆、再構成したものである。
著者は、朝日新聞社で出版校閲部長を務めており、多数の使用例を挙げて、敬語の正しい使い方や誤用について丁寧に指摘を加えている。
ちょうど古文で敬語法を扱ったところだったので、頑張って読もうと思ったが、途中で挫折してしまった。
幸い「あとがき」の中で筆者は次のように述べる。読み切ることができなかったが、少し救われる思いである。
これまで敬語というと、文法上の法則やら、定められた規範を示して、それに反することを叱責するものでした。本書もまた、そのような点がないとはいえませんが、規範以上に大切な言語活動のあることを書き記したつもりです。
とにかく、明快な言葉で話したり、書いたりしましょう。
自分の意思ははっきりといい、相手の言葉はしっかりと聞きましょう。
不必要な言葉、テレ笑い、頻繁なあいづちはやめて、言葉と言葉でわかり合いましょう。
わからないこと、知らないことは、はっきりと「わからない」といいましょう。
そのうえで、敬語を使えたら使う、使えなかったらやめるに越したことはありません。