月別アーカイブ: 2015年1月

『武器としての決断思考』

瀧本哲史『武器としての決断思考』(星海社新書 2011)を読む。
帯に「京都大学最強授業」とあり、京都大学でリベラル・アーツを担当する著者の授業の演習内容をそのまま活字に起こしたような内容である。
論理学や法律的思考を用いながら、ディベート能力や決断能力の向上が力強い口調で語られる。必要条件、十分条件、演繹、帰納、推論、根拠など、ディベートのキーワード概念について分かりやすく説明されており、初学者の私も理解しやすかった。

とりわけ、ディベート思考におけるメリット・デメリットの成立条件の解説が丁寧であった。筆者によるとメリットの条件は、「内因性」(なんらかの問題があること)、「重要性」(その問題が深刻であること)、「解決性」(問題がその行動によって解決すること)の3つが必要である。要は問題があって、それは深刻で、その行動を取れば問題が解決するということである。
また、同じくデメリットにも、「発生過程」(論題の行動を取ったときに、新たな問題が発生する過程)、「深刻性」(その問題が深刻であること)、「固有性」(現状ではそのような問題が生じていないこと)の3つの要素がある。つまりは、新たな問題が生じる過程をきちんと説明し、その問題が深刻であり、新たな問題は論題の行動を取らないかぎり生じないということを明らかにすればいいのである。

現在、少し大きなプロジェクトを抱えているので、参考になるところも多かった。メリット・デメリットの条件や反論への万全な対応など、なかなか頭で理解できるものではないが、「カラダで覚えていきましょう」と筆者が述べるように、仕事の中で試行錯誤してみたい。

安倍政権の暴走に反対する1.26国会前行動

以下、メーリングリストからの転載です。


〈集会等お知らせ〉
★安倍政権の暴走に反対する1.26国会前行動
日時:1月26日(月)18時30分~19時30分
場所:衆議院第二議員会館~参議院議員会館前
発言:各党代表国会議員、日弁連憲法問題対策本部代表、立憲デモクラシー代表、1・17女の平和行動代表など

昨年、「戦争をさせない1000人委員会」と「解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会」との共同で「9.4総がかり行動」、「11.11総がかり国会包囲行動」にとりくんできました。この積み重ねをもとに、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」を立ち上げ、これからの全国的共同行動の実現をめざしていきます。安倍政権は昨年末の総選挙での「勝利」を受けて、憲法違反の閣議決定に基づく日米ガイドライン改定や戦争関連法案提出、沖縄・辺野古新基地建設、歴史認識の改ざん、貧困と格差の拡大、原発再稼働、そして憲法改悪などへ突き進もうとしています。1月26日、通常国会が開会します。これは同時に、安倍政権による憲法破壊・人権破壊・生活破壊の策動を阻止する、2015年のたたかいの幕開けです。この国会開会日に対する行動を、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」として呼びかけています。

チラシPDFはこちら

〈集会等お知らせ〉

以下、メーリングリストからの転載です。


★「日本の歴史歪曲を許さない!全国大学生行動」
 *本行動詳細は、下記のブログページに記載されています。
  http://rekishidaigakusei.blog.fc2.com/

【行動概要】
 ○行動期間 2015年3月8日(日)~9月12日(土)
 ○主催 日本の歴史歪曲を許さない!在日朝鮮人大学生連絡会
 ○行動内容
 1)全国行動の始まりと終わりに、大阪と東京で歴史歪曲に反対する集会を行います。
  ◆スタート集会◆ ~略~
  ◆全国大学生集会(まとめの会)◆
  -日時:2015年9月12日(土) (時間は未定)
  -場所:国立オリンピック記念青少年総合センター・カルチャー棟 小ホール(東京)
  -内容(案):強制連行被害者名簿(原簿)の公開、特別講演、大学生行動全体報告
 2)歴史歪曲に反対する展示会を全国各地で行います。
  ■名称:展示会「記憶、保存、そして継承~日本の歴史歪曲に反対する」
  ■地域:東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の主要大学(または近辺施設)
  ■時期:2015年5~7月初旬頃に各地で一回以上
  ■内容:昨今の歴史修正主義の動きと流れ(全般)/強制連行の定義、政策、事実関係について/
    被害者証言、及び「証言をいかに聞くか」/各地の歴史修正主義の現況紹介、など

センター試験

一昨日行われたセンター試験の国語の問題を解いたみた。
60分弱くらいで解いてみたのだが、170点くらいであった。勿論、時間通り解いたら9割はいくはずである( *`ω´)

今回の問題は大変オーソドックスに出来ており、難易度は高いが、高校の授業や過去問をしっかりやった生徒が点数が取れる良問である。
ここ最近のセンターで一番完成度が高いと評価したい。評論文はツイッターやネットの掲示板などの馴染みやすい内容であり、根拠も見つけやすかった。また、古文も重要単語や敬語、助動詞が絡んだ訳など、高校授業の範囲内であり、漢文も基本的な句形や重要漢字からの出題であった。特にここ2年ほどの高校の授業ではとてもカバーできないような出題とは異なり、高校の教員に希望と安心感を与えるものである。

ただし、小説問題はいささか首を傾げざるを得ない。80分という試験時間を現代文だけ、もしくは現代文古文だけで使える受験生は良いが、評論小説古文漢文の4題を解く者にとっては徒らに時間を食う問題が多かった。センター試験は50数万人が受験するものであり、韻文からの出題といえど妥協を許さない客観性が求められる。今回はいささか詩的表現を味わう「感性」を問うような問題が含まれており、二次試験や私大の問題としては良いが、センター試験には似つかわしいものではなかったと思う。

今年もセンター利用入試を導入する私立大学が増えたため、昨年以上に、近代以降の文章、もしくは現代文+古文という組み合わせを選択する受験生が多かった。高校の教育課程にそもそも古典がない専門高校在籍生徒の工学部進学などをカバーする目的ならば理解できるが、日東駒専や法政といった一流と呼ばれる大学の文系学部で受験生確保のために教科の負担を減らすことは切に止めてほしい。易きに流れる大学入試の「多様化」こそが高校教育の破壊の元凶である。

「三月入学」

本日の東京新聞夕刊の一面コラム「紙つぶて」に、京都大学経済研究所の梶井厚志教授の「3月入学」改革案が載っていた。
梶井氏は、予算年度と合致して便利というだけの4月入学に合わせるために、センター試験をわざわざ悪天候で体調不良者が出やすい1月中旬に行う慣行に異議を唱える。そして次のように述べる。

 三月入学にして、現行の学年層を一カ月前倒しすれば、何事もはるかにうまく行くだろう。センター試験は十二月中旬になるから、雪やインフルエンザの問題も少ない。一月は授業がなくなるから暖房も節約でき、前期の授業は六月中旬に終了するから冷房も助かるゆえ、大変エコである。ゴールデンウィークも一学期目の中休みとしてちょうど良い。ついでながら、大学教員は六月七月に集中する欧米の学会に顔を出せるようになろう。

3月入学は、2、3年前に話題になった「秋入学」よりは現実的で、現行からの移行もスムーズだと思う。ネットで調べてみると、隣国の韓国も3月入学を実施している。また、欧米の大半は9月入学なので、3月〜8月を前期、9月〜2月を後期とすれば、海外への留学も、海外からの留学生受入もやりやすくなる。少なくとも梶井氏の指摘する通り、4月よりはメリットばかりのように思う。
今まで、入学式は桜で彩られるというイメージが強かったが、暖冬の影響でどんどん桜の開花時期は早まっており、実際は4月8日の入学式前に散っていることが多い。また、3月中旬の入学式であれば、桜舞い散る中で学校生活がスタートしていく風景が見られそうだ。