地上波で放映された、小泉堯史監督、寺尾聡主演『雨上がる』(2000 東宝)を観た。
江戸時代中期、享保の頃が設定となっており、まだ武士が武士らしく、殿が殿らしくあった時代の人情物語である。
寺尾聡演じる剣術の浪人三沢伊兵衛は、お人好しで誰にも親切丁寧、素直な性格の浪人だからこそ、世知辛い世の中では誤解を受けてしまう。しかし、最後は見識ある殿が浪人の恩義に報いようとするところで終わる。日本昔話やイソップ童話にありそうな設定の話で、「二人はそれからというもの幸せに暮らしましたとさ、ちゃんちゃん」といったハッピーエンドを想像させる終わり方であった。
最後殿が三沢伊兵衛に詫びを伝える場面が唐突に終わってしまった。放送時間枠の関係で打ち切りになってしまったのかと思ったが、どうやら最後の場面は上映段階でカットされてしまったらしい。
月別アーカイブ: 2014年10月
『御法度』
『[マンガ]日本の歴史がわかる本』
昨日に続いて、小和田哲男監修、小杉あきら画『[マンガ]日本の歴史がわかる本:【幕末・維新〜現代】篇』(三笠書房 1999)を読む。
1853年のペリーの浦賀沖来航から現代までの150年間の流れが分かりやすくまとめられている。子ども向けの学習漫画ではなく、大人向けに政治の裏側や背景をきちんと説明しているので大変分りやすかった。特に何度覚えても忘れてしまう幕末の流れや、自由民権運動の対立などがすーっと頭に入ってきた。
紙幅の限られた中で、反戦運動や労働運動にも触れられており、何度も読み返したい本であった。
最後に、監修担当の小和田氏は次のようにまとめる。
よく、「歴史の流れ」というが、歴史はなにも自然に流れるわけではない。むしろ、どのように流すか、歴史のまっただ中にいる人によって考えられ、流されてきたという側面を見ないわけにはいかないように思われる。
ひるがえって、いま私たちは、政治に対してなんとなく無力感をもってしまっている。それは「私一人ぐらいが何をしても無駄」という思いがあるからである。しかし歴史は意外と、そうした力のない人々がなんとなく力を合わせて動かしてきたのである。
本書からそのあたりの「歴史の流れ」を読み取っていただければ幸いである。
小和田氏は、有名人物や事件の名前、年号を知ることではなく、名もない農民や市民、労働者、学生の思いがやがてはおおきなうねりとなって歴史を作ってきたと述べる。歴史を学ぶ本当の意味は、「歴史の流れ」を肌身に感じることで、政治や経済に対するちょっとした思いを持つことなのである。学校の試験で点数にはならないかもしれないが、ちょっとしたキッカケやちょっとした見方を学ぶことに意義を見いだすことが大事である。
『[マンガ]日本の歴史がわかる本』
本日、大学通信教育の3回目の試験を受けてきた。
西洋史は17世紀のオランダ経済と18世紀のイギリス経済の比較、経済学史はリカードの労働価値説と、差額地代論、比較生産費説の説明であった。
今回はきちんと項目ごとにノートを作って試験に備えたが、直前の勉強が捗らず、何となるだろうと不遜な態度で臨むことになってしまった。
試験は残り2科目、東洋史と日本史を残すのみである。レポートもそれぞれ2本ずつ提出せねばならない。
受かる受からないという狭い料簡ではなく、自分で決めたことなので自分で納得した形で締めくくりたいと思う。
早速、日本史から丁寧に復習したいと思い、勉強のキッカケになればと、一冊のマンガを手に取ってみた。
小和田哲男監修、小杉あきら画『[マンガ]日本の歴史がわかる本:【室町・戦国〜江戸時代】編』(三笠書房 1999)を読んだ。
応仁の乱から江戸の天保の改革までの400年間の歴史が一冊の文庫本にまとめられている。大変大雑把なのだが、返って歴史の流れが掴みやすく、今の私にぴったりの内容であった。