月別アーカイブ: 2013年12月

大学案内研究:東京理科大学

東京理科大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
1881年東京帝大出身の理学士が立ち上げた東京物理学講習所が母体となっており、2011年に創立130周年を迎えた伝統ある学校である。夏目漱石の小説「坊ちゃん」の主人公の出身校ともなっている。1949年に理学部のみの単科大学としてスタートを切り、1960年薬学部を新設、1962年工学部、1967年に理工学部と高度経済成長に歩調を合わせる形で理工系総合大学へと発展している。1987年には1年次に長万部で過ごす基礎工学部が開設され、さらに、同年東京理科大学山口短期大学、1990年東京理科大学諏訪短期大学を開学している。1993年にはバブル景気で浮かれてしまったのか、埼玉県久喜市に経営学部を増設している。
現在では8学部33学科、11研究科31専攻を擁する、一学年4000人弱の日本で一番大きな理工系大学となっている。学部卒業生の約3割が理科大の大学院に進学するため、大学院だけで2500名の学生が在籍している。
2013年には理学部と工学部の一部の学科と基礎工学部と経営学部の2年次以降が学ぶ葛飾キャンパスが開設されている。

東京の理学部・工学部と千葉県野田市の理工学部で住み分けがあるのかと思ったが、理工学部にだけ応用生物科学と土木工学科があるだけで、ほとんど内容は同じである。一つの大学ではあるが、似たような2つの大学があると考えた方が分かりやすい。

経営学部は東京理科大学という看板があるので、定員割れはしていないが、成功しているとは言い難い。実質経営学部だけの単科大学であり、取り立てて特徴もなく、久喜駅からスクールバスで10分という不便な場所にある。大学側は葛飾キャンパスに全面移転を申し入れたのだが、久喜市の方で待ったがかかってしまい、2016年より1年次だけ久喜キャンパスという中途半端な形で落とし所が決まってしまった。理工系の学部増設は軒並み成功したが、この経営学部だけが完全にお荷物の状態となってしまっている。

1学科1ページ構成で、カリキュラム表と研究室一覧が延々と続く総合パンフレットだったので、卒読しただけであるが、研究に没頭する大学の雰囲気というか、学生気質というか、イメージ戦略はよく伝わってきた。

大学案内研究:津田塾大学

津田塾大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
大学の沿革が日本史の資料集のような内容で、明治の夜明け前から、昭和の初めまでの60数年を駆け抜けた創立者津田梅子の生涯が歴史の流れと合わせて語られている。津田梅子さんは、1871年満6歳で親元を離れ、日本で初めての女子留学生として、岩倉具視と一緒にアメリカに旅立っている。また2度目の留学では、ヘレン・ケラーを訪ね、ナイチンゲールとも会見をしている。そして1900年に麹町区一番町(現・東京千代田区)に女子英学塾を開校している。1931年に小平市に移転し、1948年に英文科のみの単科大学として出発する。1949年に数学科、1969年に私立大学初の国際関係学科が置かれ、2006年には情報数理科学科を改組して、情報科学科が開設されている。小平という都心から離れた不便な場所にあるにも関わらず、全国から学生が集まり、全学科において倍率も3倍弱を保ち、4学科のみの学芸学部1学部という伝統を貫き通している。学科を問わず、外国語教育、少人数教育、国際教育の3つを重視している。

また、2年次より所属学科を完全に離れて、独自のカリキュラムによって学習を進める「多文化・国際協力」と「メディアスタディーズ」の2つの特別コースが用意されている。希望者多数の場合は選考を行うということであるが、テーマがよく練られており面白そうなコースである。

パンフレットも大学も紹介という以上に、学問の面白さや、学ぶ意義について丁寧に述べられている。各学科のページに「言語とは」「国際関係学とは」「数とは」「人とコンピューターは」と、学科そのものの成り立ちにまで踏み込んで、学ぶ意味を伝えようとする思いが伝わってくる。今まで読んだ中で1、2番を争うほどの読みやすく分かりやすく興味をかき立てる内容である。

海外留学や、大学院進学、就職、教職課程、日本語教員養成と、どれをとっても地に足のついた内容となっている。
キャンパス内に寮もあり、近隣のアパートも安いので勉学に専念するにはうってつけの大学であろう。

大学案内研究:聖心女子大学

聖心女子大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
都心の一等地である広尾にあり、慶応ボーイとつき合う「お嬢様大学」の象徴のような大学である。マスコミにも強く、アナウンサーも多数輩出している。
1908年に創立されたカトリック教育の聖心女子学院外国人部が母体となっている。1916年に私立聖心女子学院高等専門学校(英文科)が開校し、1948年に外国語外国文学科、国語国文科、歴史社会学科、哲学科の4学科で構成される文学部の単科大学として開学している。1952年には女子大学初の大学院文学研究科が設置されている。

パンフレットを読む限りでは、ボランティア活動や宗教的活動も学生サークルを中心に活発なようだ。聖心学院の姉妹校と呼ばれる学校は、世界30カ国、149校もあり、交換留学の提携先ともなっている。

入試段階で学科枠はなく、1年次は全員が基礎課程で「リベラルアーツ」を学び、2年次より5学科9専攻に進む制度になっている。ICUと似ているが、基礎課程に理系科目はほとんど置かれていないので、教養学部というよりは人文学部の趣が強い。2年次からは、英語英文学、日本語日本文学、史学、人間関係、国際交流、哲学、教育学、初等教育学、心理学の9つの主専攻に加え、他専攻科目や学科の枠を越えた総合科目を学ぶ副専攻制度も設けられている。主専攻については受け入れ可能人数の制限があり、初等教育などは人気が高いのであろうか。

定員465名の小規模な大学ながら、ネームバリューは高い。パンフレットを読む限りでは、特に英語に力を入れるわけでもなく、幅広い科目を並べただけの大学である。しかし、いたずらに栄養学科や看護学科といったニーズの高い学科を増設することなく、創立以来の文系リベラルアーツ教育を維持している点は評価してよいであろう。

『時をかける少女』

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地上波で放映された、大林宣彦監督、原田知世主演『時をかける少女』(1983 東映)を観た。
今少し手直しして上映しても違和感を感じないような作品であった。細田守監督のアニメ版の映画の方を先に観てしまっていたのだが、これはこれで楽しむことができた。現在では粗さの目立つ合成映像や白黒効果が、尾道のいかにも昭和ノスタルジーに溢れた風景とマッチしており、大林監督の編集の妙が全編にわたって光っていた。

ちょうど私が小学校4、5年生くらいの映画である。公開当時はダビングやライン入力による録音ができるラジカセが流行っており、ラジカセを抱えた原田知世さんの広告は子ども心にも魅力的であった。

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小出裕章さん講演会 IN 熊谷

メーリングリストからの告知

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2013年12月22日(日曜)
熊谷文化創造館 さくらめいと
小出裕章さん講演会 IN 熊谷
「正しく知ることから始めよう」
・・原子力発電のこと
福島原発事故のこと・・

京都大学原子炉実験所助教 小出裕章さんの講演会を2013年12月22日(日曜)熊谷市の「文化創造館さくらめいと」で開催します。
2011年3月11日に発生した大地震と大津波、そして原発事故から間もなく3年になろうとしています。
原子力発電に対して正しい知識をもって、一人一人が考えることが大切です。
原子力発電に反対する人も賛成する人も、そして「分からない」と言う人も、是非、小出さんの講演をお聞きになってください。
特に、中学生の皆さん、高校生の皆さんには聞いて頂きたいと思います。

主催「小出裕章さん 熊谷講演実行委員会」http://20131222kumagaya.jimdo.com/