聖心女子大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
都心の一等地である広尾にあり、慶応ボーイとつき合う「お嬢様大学」の象徴のような大学である。マスコミにも強く、アナウンサーも多数輩出している。
1908年に創立されたカトリック教育の聖心女子学院外国人部が母体となっている。1916年に私立聖心女子学院高等専門学校(英文科)が開校し、1948年に外国語外国文学科、国語国文科、歴史社会学科、哲学科の4学科で構成される文学部の単科大学として開学している。1952年には女子大学初の大学院文学研究科が設置されている。
パンフレットを読む限りでは、ボランティア活動や宗教的活動も学生サークルを中心に活発なようだ。聖心学院の姉妹校と呼ばれる学校は、世界30カ国、149校もあり、交換留学の提携先ともなっている。
入試段階で学科枠はなく、1年次は全員が基礎課程で「リベラルアーツ」を学び、2年次より5学科9専攻に進む制度になっている。ICUと似ているが、基礎課程に理系科目はほとんど置かれていないので、教養学部というよりは人文学部の趣が強い。2年次からは、英語英文学、日本語日本文学、史学、人間関係、国際交流、哲学、教育学、初等教育学、心理学の9つの主専攻に加え、他専攻科目や学科の枠を越えた総合科目を学ぶ副専攻制度も設けられている。主専攻については受け入れ可能人数の制限があり、初等教育などは人気が高いのであろうか。
定員465名の小規模な大学ながら、ネームバリューは高い。パンフレットを読む限りでは、特に英語に力を入れるわけでもなく、幅広い科目を並べただけの大学である。しかし、いたずらに栄養学科や看護学科といったニーズの高い学科を増設することなく、創立以来の文系リベラルアーツ教育を維持している点は評価してよいであろう。