大学案内研究:東京理科大学

東京理科大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
1881年東京帝大出身の理学士が立ち上げた東京物理学講習所が母体となっており、2011年に創立130周年を迎えた伝統ある学校である。夏目漱石の小説「坊ちゃん」の主人公の出身校ともなっている。1949年に理学部のみの単科大学としてスタートを切り、1960年薬学部を新設、1962年工学部、1967年に理工学部と高度経済成長に歩調を合わせる形で理工系総合大学へと発展している。1987年には1年次に長万部で過ごす基礎工学部が開設され、さらに、同年東京理科大学山口短期大学、1990年東京理科大学諏訪短期大学を開学している。1993年にはバブル景気で浮かれてしまったのか、埼玉県久喜市に経営学部を増設している。
現在では8学部33学科、11研究科31専攻を擁する、一学年4000人弱の日本で一番大きな理工系大学となっている。学部卒業生の約3割が理科大の大学院に進学するため、大学院だけで2500名の学生が在籍している。
2013年には理学部と工学部の一部の学科と基礎工学部と経営学部の2年次以降が学ぶ葛飾キャンパスが開設されている。

東京の理学部・工学部と千葉県野田市の理工学部で住み分けがあるのかと思ったが、理工学部にだけ応用生物科学と土木工学科があるだけで、ほとんど内容は同じである。一つの大学ではあるが、似たような2つの大学があると考えた方が分かりやすい。

経営学部は東京理科大学という看板があるので、定員割れはしていないが、成功しているとは言い難い。実質経営学部だけの単科大学であり、取り立てて特徴もなく、久喜駅からスクールバスで10分という不便な場所にある。大学側は葛飾キャンパスに全面移転を申し入れたのだが、久喜市の方で待ったがかかってしまい、2016年より1年次だけ久喜キャンパスという中途半端な形で落とし所が決まってしまった。理工系の学部増設は軒並み成功したが、この経営学部だけが完全にお荷物の状態となってしまっている。

1学科1ページ構成で、カリキュラム表と研究室一覧が延々と続く総合パンフレットだったので、卒読しただけであるが、研究に没頭する大学の雰囲気というか、学生気質というか、イメージ戦略はよく伝わってきた。

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