日別アーカイブ: 2013年10月26日

大学案内研究:文化学園大学・文化学園大学短期大学部

文化学園大学・文化学園大学短期大学部のパンフレット(2014年度版)を読む。
既存の高校を運営する学校法人が大学を増設する「郊外型」大学ではなく、まず短大・4年制大学が先に開設され、高校急増期に合わせて附属高校や系列の専門学校が増設されている。
1950年に新宿駅南口から徒歩7分という都会のど真ん中に短期大学服装科が設置され、1964年に4年制大学家政学部服装学科設置されている。その後高校や幼稚園が設立され、1985年に小平キャンパス校舎が完成し、1991年には国際文化学科と英語英文学科を有する文学部が開設されている。

パンフレットの沿革を見る限りだが、文化学園大学の失敗はこの小平キャンパスと文学部を作ったことであろう。ちょうど80年代後半のバブルの頃で、都心の大学が次々と郊外へ移転していった時期である。スポーツや医療系の学部であれば郊外のキャンパスも受け入れられるのであろうが、文化学園大学の場合、服装学部というアイデンティティが薄まった上に、本部キャンパスとの往来も不便な中央線の国分寺駅からバスで8分という場所に立派なキャンパスを構えてしまったがために、学生募集が逼迫するという事態に陥ってしまっている。
その後、新宿キャンパスの方に造形学部を開設したり、小平の方に心理やファッション、観光など、女性が興味を引きそうな学科が増設されているが、ますます大学本来の理念から遠ざかってしまっている。また、2012年からは学校名を改め男女共学が始まっているが、人気回復には至っていない。

現在では、新宿新都心キャンパスに、服装造形学科と服装社会学科をもつ服装学部と、デザイン・造形学科と建築インテリア学科をもつ造形学部、短期大学部が置かれ、小平キャンパスには国際文化・観光学科、国際ファッション文化学科、応用健康心理学科の3学科で構成される現代文化学部が置かれている。
アップル社やマクドナルド社のように、新宿キャンパスで服装学部のみという「オンリーワン・ブランド」にこだわり続けていたら、今頃はもう少し違った大学になっていたであろう。