麻生幾『ZERO』(幻冬舎 2001)を20時間以上かけて読んだ。
年末から読み始めたので、2年越しの読書である。上下巻で400字詰め原稿用紙で2512枚の大作である。しかも、警視庁公安部と警察庁公安部の確執、中国の軍の情報部と国務院の警察との権力対立、戦前と戦後の日中関係の変遷など、組織内部の複雑に絡み合った人間関係が話のベースになっているため、何度も巻頭の人物紹介のページを繰りながら、頭の中で人間関係を整理しながら読み進めていった。
実話を基にしており、警察庁長官狙撃事件や共産党盗聴事件などで暗躍する警察庁公安部の内情の一端が分かって大変面白かった。久しぶりに本と格闘したという読後感が残った。しかし、公安という存在を知らない一般ピープルには全く興味が湧かない内容である。
『ZERO』
コメントを残す