村上春樹『中国行きのスロウ・ボート』(中央公論社 1983)を読む。
純文学の雰囲気が漂う、著者の初の短編集である。現実世界の消費社会システムにすっかり組み込まれてしまった「僕」の、現実に対する違和感や人生に対する不安感がテーマとなっている。しかし、その言葉になりにくい「僕」の「嘔吐」にも近い違和感を強調するあまり、一般の読者にはほとんど理解不能なほど難解なプロットになってしまっているのが残念だ。
『中国行きのスロウ・ボート』
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村上春樹『中国行きのスロウ・ボート』(中央公論社 1983)を読む。
純文学の雰囲気が漂う、著者の初の短編集である。現実世界の消費社会システムにすっかり組み込まれてしまった「僕」の、現実に対する違和感や人生に対する不安感がテーマとなっている。しかし、その言葉になりにくい「僕」の「嘔吐」にも近い違和感を強調するあまり、一般の読者にはほとんど理解不能なほど難解なプロットになってしまっているのが残念だ。