田辺聖子『新源氏物語(三)』(新潮社 1979)を読む。
原本の巻で言うと朝顔の君と源氏のやり取りに嫉妬する紫の上を描いた朝顔の巻から玉鬘や紫の上の姿を夕霧が垣間見する野分の巻までとなっている。ちょうど紫の上の心が揺れ動く前半部の明石の君と後半部の女三の宮のエピソードの中間部に当たり、話の盛り上がりは少ない場面だが、紫の上の出家に対する憧れが徐々に顔を見せ、男社会が押しつけた貞淑と規範の中でいつそれが爆発するのやら気をもむような展開が続く。
『新源氏物語(三)』
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田辺聖子『新源氏物語(三)』(新潮社 1979)を読む。
原本の巻で言うと朝顔の君と源氏のやり取りに嫉妬する紫の上を描いた朝顔の巻から玉鬘や紫の上の姿を夕霧が垣間見する野分の巻までとなっている。ちょうど紫の上の心が揺れ動く前半部の明石の君と後半部の女三の宮のエピソードの中間部に当たり、話の盛り上がりは少ない場面だが、紫の上の出家に対する憧れが徐々に顔を見せ、男社会が押しつけた貞淑と規範の中でいつそれが爆発するのやら気をもむような展開が続く。