池内了『科学の考え方・学び方』(岩波ジュニア新書 1996)を読む。
日本では「科学」といっても「科学技術」という言葉で表されてしまい、「役に立つ」技術のみが想起される。しかし、科学には、徹底した観察、観測と数学や理学を組み合わせた考察によって、自然「現象」を分析し、その中の「物質の運動」を見極め、反証に耐えうる「法則」を導き出す手続きが必要なのである。つまり、元来科学とは複雑な人類と、深遠な自然と、多様な社会を結びつける「哲学」なのである。著者はそうした科学者に課せられた任務と倫理について追究する姿勢を崩さない。
『科学の考え方・学び方』
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