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『カーニヴァル化する社会』

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鈴木謙介『カーニヴァル化する社会』(講談社現代新書 2005)を読む。
TBSラジオの「文化系トークラジオLife」のメインパーソナリティを務める「チャーリー」の著書である。
液状化する労働観、情報化社会における監視、自分中毒としての携帯電話という3つの側面から、カーニヴァル(社会共同体の祝祭とは異なり、共同体から逸脱してしまった若者が瞬間的に盛り上がりを共有することで、孤立感を忘れ集団への帰属感が高揚する機会)の原理を解き明かそうとする。
「ニート」を中心とした若者の労働を巡る社会状況や、監視カメラではなく、データの蓄積という目に見えにくい監視システムのありよう、そして、ひたすら内面化していくコミュニケーションの分析から、分断化された個人と、それゆえにある些細な共通項で爆発的に盛り上がる(ブログ炎上や国際スポーツでの狂騒など)原因について社会学的に分析が加えられる。後半は社会学のタームを用いながら構造を明らかにするという高度な内容で、最後は理解が追いつかなかったが、ケータイやワールドカップといった分かりやすい具体例で、すいすいと内容に入り込むことができた。
著者のまとめの言葉が印象的であった。現在私たちが生活する社会と個人の関係を解き明かす社会学という学問について触れながら、彼のラジオでの口癖となっている「である以上」という語を交えつつ次のように語る。

「いかにあるべきか」の前に、「いかにしてあるのか」を徹底して問う、というのが、社会学という学問のあり方だとするならば、現在の私たちは誰も「いかにあるべきか」を語りうるほどに、現在についての知識を蓄積していると私は考えていない。である以上、もうしばらくは「いかにしてあるのか」について問い続ける必要があるといえよう。社会的な危機が様々な方面から指摘され、「べき論」の溢れる現在だからこそ、そうしたモラトリアムこそが必要とされているのではないか。

『ほぼ日刊イトイ新聞の本』

糸井重里『ほぼ日刊イトイ新聞の本』(講談社文庫 2004)を読む。
2001年に刊行された単行本に加筆されたものである。「ほぼ日手帳」を使い始める前に、「ほぼ日」の背景について知りたいと思い手にとってみた。「ほぼ日」の創立前後の出来事と平行して、糸井氏の価値観や、ビジネスに対する思いがよく伝わってくる内容であった。糸井氏は49歳で「ほぼ日」を立ち上げている。私自身が40代を迎え段々その年齢に近づきつつあり、一人でもできるという自信を信頼して新しい分野に飛び込んでいくパワーに共感を覚えた。

『すべての情報は1冊の手帳にまとめなさい』

蟹瀬誠一&「知的生産」向上委員会『すべての情報は1冊の手帳にまとめなさい:大事なことは「一元管理」する』(三笠書房 2008)を読む。
2、3年前に読んだ本を引っ張り出してきた。文庫本サイズの手帳を使いこなしていくテクニックと、手帳を通じて磨いていくビジネスマンの生き方が述べられている。夢や目標までの具体的なスケジュールを手帳に書き出して、何度も見ることが大切だと述べる。また、手帳は何でも書いていくインプットの道具ではなく、キーワードや固有名詞を元にして思い出すアウトプットの道具だと割り切って使うことが必要だとも述べる。そのために、講演会やイベントに参加した時に、全てを書くのではなく、情報を頭の中で整理し、何か一つの「キーワード」にまで凝縮して書き留めておくと、後で思い出しやすいと筆者は述べる。
ちょうど来年の手帳を買って、来年末までに実現したい夢や目標を頭の中で「熟成」させている時期なので、早速実践してみたい。

  • 手帳は情報をアウトぷっとするためのツール
  • 「毎日何度も見る—これが手帳の“威力”のもと
  • 月初めに「ブロックする日」を3日作る
  • 「目標管理」「情報管理」「健康管理」……これだけのことができる!
  • 手帳を「記憶のインデックス」として使う
  • 気に入った文章、言葉は、必ず書きとめる
  • 手帳に書くことは、夢の実現に道筋をつけること

『手帳300%活用術』

日本能率協会マネジメントセンター編『手帳300%活用術:仕事とプライベートが楽しくなる117のワザ』(JMAM 2008)を読む。
フォーマットの決まった手帳で、著者の人生観やビジネス観に裏打ちされた方法論を押し付けるのではなく、各自のチョイスややり方に応じたヒント集となっている。手帳のタイプの分類や歴史などがまとめられており興味深かった。福澤諭吉や夏目漱石、太宰治などが愛用した手帳の写真や、「時間目盛り入り手帳」や「ファイロファクス」「ほぼ日手帳」の誕生と世界の情勢が比べられている。また、渡邉美樹氏、齋藤孝氏、弘兼憲史氏、和田秀樹氏、生島ヒロシ氏、西村晃氏、戸田奈津子氏、花田紀凱氏、中西哲生氏といった著名人の「手帳活用法」が面白かった。仕事ができる人の机や本棚を覗き見するような興奮を感じる。

『ほぼ日手帳 公式ガイドブック2011』

ほぼ日刊イトイ新聞編著『ほぼ日手帳 公式ガイドブック2011:いっしょにいて、たのしい手帳と。』(マガジンハウス 2010)を読む。
先日購入した「ほぼ日手帳2014年度版」を使用する前に、参考例として手に取ってみた。文庫本サイズ、一日一ページ、24時間書き込める時間軸、手帳の専門紙トモエリバー、ポケットがいっぱいの2本のしおりのついたナイロンカバー、180度パタンと開く糸かがり製本などのほぼ日手帳の誕生の歴史や、20人あまり方々の活用事例が紹介されている。
情報は公私の別なく1冊の手帳にまとめたり、チケットの半券や写真、新聞の切り抜きを自由に張ることができたり、これまで私自身が他の手帳で実践してきたことがしっかりと網羅されている。どうやらこの「ほぼ日手帳」で手帳探しは終わりを告げそうだ。