河合隼雄『中年クライシス』(朝日新聞社 1993)を手に取ってみる。
1990年代前半あたりからジェンダー的観点から男性作家の文学の読み直しが行われているが、これはその「中年」版である。筆者の敬愛するユングの言説から、周囲との関係の変化や違和感を読み解いていく。
と言っても、一章も読むことはなかった。帯の宣伝文句だけ引用しておきたい。
「我が国を代表する心理療法家が、漱石から大江健三郎までの日本文学を読みとき、「人生後半」の心模様の危機を捉え、さまざまな生き方を探る。待望の画期的「中年」論
河合隼雄『中年クライシス』(朝日新聞社 1993)を手に取ってみる。
1990年代前半あたりからジェンダー的観点から男性作家の文学の読み直しが行われているが、これはその「中年」版である。筆者の敬愛するユングの言説から、周囲との関係の変化や違和感を読み解いていく。
と言っても、一章も読むことはなかった。帯の宣伝文句だけ引用しておきたい。
「我が国を代表する心理療法家が、漱石から大江健三郎までの日本文学を読みとき、「人生後半」の心模様の危機を捉え、さまざまな生き方を探る。待望の画期的「中年」論
本日の東京新聞朝刊国際面から。
中国の習近平政権が進める現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」のマレーシア国内でのプロジェクトが本格的に指導した。中国にとってマラッカ海峡は南シナ海からインド洋に抜ける一帯一路の要衝であると同時に、輸入石油が通過する安全保障上の生命線でもある。シンガポールに展開する米軍によって封鎖されるリスクがあり、中国は東海岸鉄道によってマラッカ海峡を通らない物流ルートを確保できる。野党からは「恩恵を受けるのは中国企業だけ」との批判も上がっているが、豊富な資金力をテコにした中国のインフラ整備支援は南シナ海での領有権問題で対立する国を切り崩す武器にもなっている。
マレーシアとシンガポールの対立を利用した、思惑付きのインフラ投資であり、
鈴木大介『最貧困女子』(幻冬舎新書 2014)を読む。
著者は「貧困」について、低所得に加えて「家族の無縁・地域の無縁・制度の無縁」に陥った状態と定義する。路上に彷徨い、現金収入のあてもない孤立無援の家出女性にとって、住む場所と現金収入、携帯電話、そして彼女の境遇に共感する仲間がいる風俗業は、セーフティネットと言っても過言ではない。家族や地域から締め出され違法なセックスワークに従事する女性の取材を通して、著者は官製のセーフティネットが機能していない現実に忸怩たる思いをぶつける。
また、執筆当時の景気の悪化で、昼の正業を持った女性がデリヘル業界に参入してきて、格差が生じつつある現実にも触れる。
石平・村上政俊対談集『最後は孤立して自壊する中国:2017年習近平の中国』(WAC 2016)を読む。
保守系の論壇誌「月刊WiLL」を刊行している出版社の本なので、自民党の安倍総理の大局観を持ち上げる一方、民主党政権の政治的判断やオバマ政権、中国共産党を蔑視するというスタンスで話が展開していく。
しかし、カースト制度に近い身分制社会が蔓延っていたり、全人口の4%ほどの支配階級を守ることを第一義に政治や経済が動いていたりする現実を知ってショックを受けた。
中国では戸籍制度がまだ厳格に残っており、農村に戸籍がありながら農村に職がなく都市部に出てきた人たちは「農民工」と呼ばれ、都市住民に比べ税制や雇用の面で明らかな差別を受けている。現在は建設の現場や輸出産業の工場で吸収されているが、いずれ経済成長が鈍化すると、職も住む場所も帰る場所も失ってしまう。しかもそうした「農民工」が2億6千万人もいるという。中国の歴史は常に、そうした行き場を失った民衆の叛乱による革命の繰り返しだが、著者の二人も中国が内戦状態に陥り、数百万人単位の難民が近隣諸国に流れていくことを懸念している。
また、これまたあまり報道されないが、中国では地方政府の庁舎を襲撃する事件が年間数万件、毎日何百件も発生しているという。そうした下層階級の暴動の鎮圧やチベット人やウイグル人などの少数民族を抑えつける目的で、武装警察が組織されている。「武警」とも呼ばれているが、普通の警察とは全く異質で、外敵と戦う人民解放軍と同じ位置付けで、内なる敵と戦うためだけに組織され、国内の「秩序」を保つために活動している。
著者たちは、そうした中国の内戦や自壊に対し、米国を中心とした包囲網を敷くことを説くのだが、そうした安易な対米追従の考えを一蹴できないほど、インパクトのある事例が紹介されていた。
根本橘夫『〈心配性〉の心理学』(講談社現代新書 1996)をパラパラと読む。
新書にしては少々学術的で、心配性の現代的定義に始まり、その症例や原因、分析や克服法まで、丁寧にまとめられている。筆者は不満や劣等感に悩まされることなく、優越心を満たし幸福になるために、次のような能力を身につけることを薦めている。