河合隼雄『中年クライシス』(朝日新聞社 1993)を手に取ってみる。
1990年代前半あたりからジェンダー的観点から男性作家の文学の読み直しが行われているが、これはその「中年」版である。筆者の敬愛するユングの言説から、周囲との関係の変化や違和感を読み解いていく。
と言っても、一章も読むことはなかった。帯の宣伝文句だけ引用しておきたい。
「我が国を代表する心理療法家が、漱石から大江健三郎までの日本文学を読みとき、「人生後半」の心模様の危機を捉え、さまざまな生き方を探る。待望の画期的「中年」論