読書」カテゴリーアーカイブ

『アタシはバイクで旅に出る。』

国井律子『アタシはバイクで旅に出る。:お湯・酒・鉄馬 三拍子紀行○1』(エイ文庫 2002)を読む。
ハーレーダビッドソン・スポーツスターで,東京から1泊2日で往復でき,温泉と日本酒を堪能できる旅を,写真と軽妙な文体で紹介する。毎回お決まりなのか,可愛らしい国井さんの温泉に浸かるサービスカットが掲載されている。

日本酒は全国どこでも出来るものだと思っていたが,酒造りには伏流水と良質の米が不可欠だということを初めて知った。ネットで調べたところ,伏流水とは,山地に降った雨や雪が地表を伝って河川へと流れ着き、川底から地中へと染み込み、地下に取り込まれる水のことを指す。地下に取り込まれた水は、地層に沿って流れている間にゆっくりと濾過され、土壌に含まれるミネラル類を吸収し、酒造りに適した水質になるとのこと。
つまり日本酒の名産地は,山奥でも平地でもなく,扇状地や火山の山麓に近いところに偏在する。そう考えるとこの本で紹介されている埼玉県・秩父,栃木県・芳賀郡,長野県・小布施,青森県,静岡県・焼津,福島県・会津の名酒のいづれも地域的条件を満たしている。

『一冊でつかむ日本史』

武光誠『一冊でつかむ日本史』(平凡社新書 2006)を読む。
薄手の新書であるが,中央政権と地方勢力の均衡の崩壊や,朱子学や陰陽五行説の否定と科学思想の普及,ヨーロッパの市場拡大による世界分割などの要因によって歴史が動いてきた点に絞って,歴史哲学の視点から日本史を大づかみに掴むことができる一冊となっている。
平安時代の荘園制の発展は理解しにくかったが,縄文文化と弥生文化の対立の過程や,鎌倉幕府と室町幕府,豊臣政権の支配形態の違いなど,図説入りで分かりやすかった。

『専業女子』

ゴマブッ子『専業女子』(ヴィレッジブックス 2012)をパラパラと読む。
ゲイバーに勤める著者が,女性の恋愛や友情について奔放に語る。
冒頭のざっくばらんな女性観が面白かった。

誰にどう見られているか不安になったり,誰かと比較して浮かれたり落ち込んだり。自分磨き,女磨きとスタイル維持にも余念がないし,気を抜いたら取り残されてしまいそうでやめることもできない。
抜けがけしないように,独り勝ちしないように,女同士ルールを作って互いを見張り,勝ちそうな女には「嫉妬」を「非常識」という名でくるんだレッテルを貼る。
何もしなければ努力していないと笑われる。でも頑張ったって成果が見えない。可愛い子はみんなちやほやされているのに,私なんて……って思ったら悲しくなる。
結婚できるか不安だし,結婚していないと変な目で見られそうで怖いし,結婚しても大変そうだし。
だけど,それでも朝はやってくる。顔を洗ってメイクして自分に気合いを入れて,学校や職場へ向かって「女」になる。その繰り返し。
そう。
女は生まれた時から「専業女子」という生き方の中で,苦しみ,もがき,おぼれそうになりながらも,幸せという島を目指して泳ぎ続けているの。

『超凡思考』

岩瀬大輔・伊藤真『超凡思考』(幻冬社 2009)を読む。
開成高校から東大法学部,在学中に司法試験に合格し,ハーバード経営大学院に留学し,帰国後ライフネット生命保険を立ち上げるという華々しい経歴の岩瀬氏が,司法試験勉強時代に師と仰いだ伊藤真氏の協力を得て,勉強やビジネスでの成功の秘訣を語る。ベンチャービジネスの創業者にありがちな他人と違う発想や奇抜なまでの行動力の効能が説かれる。岩瀬氏が目標設定と情報整理の極意を,伊藤氏が時間術と伝える力のポイントについてそれぞれ語っている。
その中で,伊藤氏の伝える力の要点をかいつまんで列挙してみたい。

  • 伝えたいという意識をきちんと持って話をすること。
  • 話す力とは,相手の求めているものを読み取る力,感じ取る力と同義である。
  • 相手の求めているものを与えるために,相手や状況に合わせて,学者,易者,医者,役者,芸者,父母の6つの役割を演じること。
  • 受け手の思考のスピードに合わせて話すスピードを変える。
  • ,「今日いちばんお伝えしたいのは◯◯です。そのために3つのことをお話しします」や「みなさんに伝えたいことは3つありますが,なかでも特に2番目が大事です。あとは寝ていてもいいですが,2番目の話になったら起きてくださいね」と最初に目次を発表すると,相手は「予測可能性」を持つことができ話に集中できる。
  • 具体例を多用する。
  • 聞き手に共感してもらうために,基本は笑顔である。受け手の警戒心を解くという意味でもまず笑顔で挨拶すること。また,講演の途中で上着を脱ぐのも一つの手である。上着というのは鎧であり,防御のイメージである。それをパッと脱ぐことによって無防備であることをアピールできる。腕まくりをすると,話が白熱してきているという印象を与える。
  • 聞き手の疑問や不安を先取りして話を進めるという方法もある。「ここでみんなつまづくんです」と指摘したり,「これは一回聞いたぐらいではわからなくて当たり前」と言ったりすると,聞き手は不安から解消される。
  • 「司法試験のカリスマと紹介されると,聴衆との間に距離が開いてしまうので,「先ほど『司法試験のカリスマ』なんてご紹介をいただきましたが,世の中で「カリスマ』と言われるほどいい加減な人間はいません」と言って,笑いを取れると,聞いてみようかという空気が醸成される。
  • 10のうち2伝われば十分である。ただし,大事なことはゆっくりと繰り返し話すこと。ヒトラーは1時間の中で何十回も「労働者のみなさん,仕事を与えます」と繰り返し,聴衆の記憶に残る演説をした。
  • 大勢の前で話すときも,「あくまで1対1」を忘れないこと。
  • 聞き手の集中力を切らさないために,緊張と弛緩のタイミングを作ること。一本調子がいちばんよくない。大切な事柄を伝えたいときはあえて太い低い声でゆっくり繰り返して話す。またあえてリズムを崩して「間」を作ると,受け手の集中力は「あれ?」と高まる。キーワードや語呂合わせ,具体例はいい弛緩材料となる。くすっと笑わせることができたら成功である。また,「これはメモを取っておいたほうがいいですよ」「レジュメの何ページの何行目を見てください」といった具体的な作業を促すのもメリハリに繋がる。ポンと手を叩いたり,場合によっては動いたりといったジェスチャーもアクセントになる。話題に関係する小物を見せたり,本を紹介するといったアクションも効果的である。

『バリ島バリバリ』

Kuma*Kuma&よねやまゆうこ『バリ島バリバリ:女たちのムフフ楽園旅行記』(光文社 2000)をパラパラと読む。
イスラム教国家のインドネシアにありながら,ヒンドゥー教の信仰が根付き,バリ舞踊や影絵芝居,ガムラン音楽など独自の文化が息づくバリ島の旅行記である。イラスト満載のゆる〜い感じでバリの不可思議な魅力が語られる。