『専業女子』

ゴマブッ子『専業女子』(ヴィレッジブックス 2012)をパラパラと読む。
ゲイバーに勤める著者が,女性の恋愛や友情について奔放に語る。
冒頭のざっくばらんな女性観が面白かった。

誰にどう見られているか不安になったり,誰かと比較して浮かれたり落ち込んだり。自分磨き,女磨きとスタイル維持にも余念がないし,気を抜いたら取り残されてしまいそうでやめることもできない。
抜けがけしないように,独り勝ちしないように,女同士ルールを作って互いを見張り,勝ちそうな女には「嫉妬」を「非常識」という名でくるんだレッテルを貼る。
何もしなければ努力していないと笑われる。でも頑張ったって成果が見えない。可愛い子はみんなちやほやされているのに,私なんて……って思ったら悲しくなる。
結婚できるか不安だし,結婚していないと変な目で見られそうで怖いし,結婚しても大変そうだし。
だけど,それでも朝はやってくる。顔を洗ってメイクして自分に気合いを入れて,学校や職場へ向かって「女」になる。その繰り返し。
そう。
女は生まれた時から「専業女子」という生き方の中で,苦しみ,もがき,おぼれそうになりながらも,幸せという島を目指して泳ぎ続けているの。