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『世界の紛争地図 最新ニュースの読み方』

ロム・インターナショナル『世界の紛争地図 最新ニュースの読み方』(河出書房新社 2011)を読む。刊行当時の世界各地で繰り広げられる紛争について、丁寧にその背景について説明している。ウイグルやチベットの陰に隠れがちな内モンゴル(自治区)の漢化政策やタイ・カンボジア紛争、ベルギー言語紛争など興味深かった。

日韓両国が竹島領有にこだわるのは、排他的経済水域(EEZ)が大きく関係している。(中略)竹島の周辺海域は水産資源の豊富な漁場で、ズワイガニ、イカ、アワビなどがよく採れる。海底にも石油の代替エネルギーとされるメタンハイドレートが眠っている可能性がある。

『川は生きているか』

浜野安宏監修・文『川は生きているか:未来の子どもたちのために 自然からの報告』(家庭画報  1985)を読む。

日本各地の川がダムや工場排水、国土開発によって、本来の姿を失い、在来魚が棲むことができない死んだ川になっている現状を訴える。以下の鮭鱒といった魚が生息していることが、生きた水のバロメーターになる。

『感動をつくれますか?』

久石譲『感動をつくれますか?』(角川oneテーマ21 2006)を読む。
知っている話が続くと思いきや、10年ほど前に既に読了していた本であった。

映画音楽プロデューサーとして夙に有名な久石氏は、他者の評価や商業ベースに則った上で、作者自身の直感や感性を大切にするべきだと述べる。予定調和で全く冒険をしない作品はつまらないし、作者の独善的な判断に依拠しては次がない。そうしたプロの芸術家としての心構えを説く。

『科学と非科学の間』

安斎育郎『科学と非科学の間:超常現象の流行と教育の役割』(かもがわ出版 1995)を読む。こっくりさんや超能力実験、当時バラエティ番組で話題だった霊媒師の宜保愛子さんや早稲田大学の大槻教授のやりとりを通して、オカルトや似非宗教の危なさについて指摘する。

『遠山啓のコペルニクスからニュートンまで』

遠山啓『遠山啓のコペルニクスからニュートンまで』(太郎次郎社 1985)を読む。著者は1944年から1969年までの25年間、東京工業大学で数学教育に携わってきた。市民のための数学教育という立場から、数学のための数学ではなく、物理学や天文学を理解するために発展してきた数学に焦点をあてている。ガリレイの地動説やニュートン力学、相対性理論などは、それ以前の三角関数や微分積分などの発展がなければ発見されなかったと言っても良い。

大変丁寧な解説で、「f(x)=y」であらわされる関数そのものの意味をしっかりと理解することができた。