読書」カテゴリーアーカイブ

『メイド イン 東南アジア』

塩沢美代子『メイド イン 東南アジア』(岩波ジュニア新書 1983)を読む。
1980年代の東南アジアの新興工業国の工場で働く女性と、細井和喜蔵が『女工哀史』で描いた1920年代の紡績工場で働く日本女性を並べながら、女性を取り巻く労働環境について分かりやすく説明している。ユニクロの海外工場の実態などを耳にするに、40年経った今でも東南アジアや南アジアの工場労働の環境は改善されていないのかもしれない。

『日本読書株式会社』

本の雑誌編集部編『日本読書株式会社』(本の雑誌社 2001)をパラパラと読む。
「かくかくしかじかな状況や心境に沿った本はありますか」という質問に、本の雑誌社の編集部員が選りすぐりの一冊を進めるという、一問一答型式で構成されている。あえて一冊の本にまとめる意味がどこにあるのか。

『日本の宗教』

村上重良『日本の宗教:日本史・倫理社会の理解に』(岩波ジュニア新書 1981)をパラパラと読む。
まんま教科書で、ひたすら情報量が多い文章で、1ページで読むのが辛くなった。ただ、縄文時代の原始宗教から、戦後の立正佼成会や創価学会、パーフェクト・リバティまで網羅しているのはすごい。

『光源』

桐野夏生『光源』(文藝春秋 2000)を半分ほど読む。
私の好きなロードムービーの撮影の舞台裏を描いた小説で、出だしは面白かったのだが、何日かに分けて読み進めるにつれて、展開がダラダラになり、途中で投げ出してしまった。ここしばらく読書に集中できる心理状態でなかったことも一因かもしれない。

『世界は一冊の本』

長田弘詩集『世界は一冊の本』(晶文社 1994)を読む。
「本を読もう。/もっと本を読もう。/もっともっと本を読もう。」の書き出しで始まる表題作の他、30編あまりが収められている。

家族や戦争、歴史上の人物をモチーフに、生きる、死ぬということがストレートに綴られている。有名な「本を読もう…」の詩も、読書の指南ではなく、どんどん世界を知って考えていくことが生きることなのだという作者のメッセージが込められている。他に気になった詩を引用してみたい。

原因があって結果がある
というのは真実ではない。
事実は違う。

はじめに結果がある。
それから、気づかなかった
原因にはじめて気づく。

ものごとの事実に対し
ものごとの真実は、
いつでも一歩遅れている。