読書」カテゴリーアーカイブ

『中国を知る』

田畑光永『中国を知る』(岩波ジュニア新書 1990)を読む。
著者はTBSの記者で、1972年の田中角栄首相の日中国交正常化の際にも同行取材を行ったほどの中国通である。その著者が刊行1年前に起こった天安門事件や日中の交流史、そしてこれからの日中関係の3点についてまとめている。
天安門事件の頃の中国共産党の記者会見の様子が興味深かった。まるで現在の菅総理そのままではないか!
また、著者は以下の後に続いて、政権側に対して再質問に対する答えを義務づけることで、都合の悪いことには答えないという身勝手な態度が改まると述べている。

私が若いころ、中国からえらい人が日本にやって来て、記者会見する時は、あらかじめ質問をたくさん出させて、その中から自分で答えたい質問だけに答えて、あとは知らんぷりということがよくあった。ずいぶん奇妙な感じを受けたものだが、それがまさに国内での中国共産党の態度だったのだ。

『最新 47都道府県うんちく事典』

八幡和郎『最新 47都道府県うんちく事典:県の由来からお国自慢まで』(PHP文庫 2009)を読む。
著者は日本史と日本地理を専門とした作家・評論家で、1871年の廃藩置県から5年後の1876年にほぼ現在の47都道府県に落ち着いた経緯を丁寧に説明している。また、観光地や出身の有名人なども取り上げられており、気軽に読める本となっている。また、この手の本にありがちな参考文献の寄せ集め的な無個性な内容ではなく、著者の思いや主観がかなり色濃く書かれており、飽きることがなかった。
参考になったところを少し。

三多摩というのは、武蔵国に東西南北の多摩郡があったうち、いまの中央線沿線にあたる東多摩郡だけを23区に入れて、残りを総称したものだ。

三洋電機の下請け工場などが多い大泉町は外国人比率16%で全国1位。

埼玉県の東部に、岩槻という雛人形などで有名な城下町がある。もともと大岡藩二万石の城下町で、いまでは人口11万人の都市だが、埼玉県庁は本来はこの町に置かれるはずだった。埼玉県という名前もこの岩槻が埼玉郡に属するのでつけられたものだ。ところが、いざとなると岩槻市内には県庁にあてることが出来るような適当な建物がなかった。そこで、宿場町だった浦和に急遽顕県庁が置かれることになった。そして、この埼玉県が河越県と合併して成立したのが現在の埼玉県ということになる。県域は武蔵国の北半分で、埼玉とは先多摩から来ている。

『ヒマラヤに学校をつくる』

吉岡大祐『ヒマラヤに学校をつくる:カネなしコネなしの僕と、見捨てられた子どもたちの挑戦』(旬報社 2018)をパラパラと読む。
鍼灸学校を卒業し、20代前半でネパールに渡り、わずか3年後に小学校建設にまで漕ぎ着けた奮闘記である。国連の活動のように短期間で作っておしまいではなく、著者はネパールに渡って20年以上、ずっとネパールのヒマラヤ小学校の運営に関わり、貧困や差別と向き合っている。

「ザ・課題図書」といった雰囲気なのだが、著者自身の体験と費やした時間の重さを感じる内容となっている。

『コンピュータの話』

有澤誠『コンピュータの話:新しい読み書きソロバン』(岩波ジュニア新書 1983)をパラパラと読む。
検索してみたら、20年前に読んだことのある本だった。

『わたし貧乏なアニメーター』

中村リンコ『わたし貧乏なアニメーター』(データハウス 1993)を読む。
今から30年前の本である。高校を卒業後、セル画を描くアニメーターになった著者がアニメ業界の待遇の悪さや変人な同僚、不条理な受注などについて語る。