『中国を知る』

田畑光永『中国を知る』(岩波ジュニア新書 1990)を読む。
著者はTBSの記者で、1972年の田中角栄首相の日中国交正常化の際にも同行取材を行ったほどの中国通である。その著者が刊行1年前に起こった天安門事件や日中の交流史、そしてこれからの日中関係の3点についてまとめている。
天安門事件の頃の中国共産党の記者会見の様子が興味深かった。まるで現在の菅総理そのままではないか!
また、著者は以下の後に続いて、政権側に対して再質問に対する答えを義務づけることで、都合の悪いことには答えないという身勝手な態度が改まると述べている。

私が若いころ、中国からえらい人が日本にやって来て、記者会見する時は、あらかじめ質問をたくさん出させて、その中から自分で答えたい質問だけに答えて、あとは知らんぷりということがよくあった。ずいぶん奇妙な感じを受けたものだが、それがまさに国内での中国共産党の態度だったのだ。