読書」カテゴリーアーカイブ

『正直な娘』

唯野未歩子『正直な娘』(マガジンハウス 2007)を読む。
小中高一貫校に通う秋子の高校1年生の1年間の青春が描かれる。カッコよく宣伝文句を作るならば、大学生との恋愛や友人の妊娠、自殺未遂などを通して、記号化された世界の中で自分を探し、都合が優先する大人の世界を垣間見る物語となるであろうか。
でも中身は、一時期流行していたケータイ小説とよく似た内容であった。女性ならば共感する場面も多々あるであろうが、おじさんが読んでも何の感想もなかった。

『二十面相の呪い』

江戸川乱歩『二十面相の呪い』(ポプラ社 1970)を半分読む。
表題作の他、『黄金の虎』の2編が収録されている。『二十面相〜』の方だけ読んで、パターンが同じなので飽きてしまった。被害者の家から警察に電話をする際に、電話線が途中で切られており、犯人グループの電話に繋がるくだりなど、時代を感じる設定もあった。

『大暗室』

江戸川乱歩『大暗室』(ポプラ社 1970)を読む。
原作は「キング」に1936年12月から39年6月にかけて連載された同題の「大暗室」である。
焼き直しで省略したのか、あらすじだけで全く没入できなかった。

『宇宙はきらめく』

野本陽代『カラー版 宇宙はきらめく』(岩波ジュニア新書 2007)をパラパラと読む。
銀河や太陽系の惑星の写真など、煌びやかな写真が並ぶ。ただし、著者は宇宙の専門家ではなく、翻訳家である。外国の入門書をただ翻訳したような内容で、著者自身の思いや感想は一切交えられていなかった。

『悼む人』

第140回直木賞受賞作、天童荒太『悼む人』(文藝春秋 2008)を読む。
久しぶりの長編小説で、最後は数時間ぶっ続けで読んだ。最初はミステリー小説のような展開であったが、段々と生と死にまつわる群像劇となり、最後は愛し愛される中で死を迎えることの最上の喜びが語られる。スケールの大きい作品である。この作品に出会えて良かったと思う。