地理」カテゴリーアーカイブ

「オランダ内閣総辞職」

本日の東京新聞夕刊に、オランダのルッテ首相が総辞職後の自転車で退勤する姿が掲載されていた。オランダは世界1位の自転車大国で、1700万人の人口に対し、2200万台もの自転車が保有されているという。オランダは国土の4分の1が海抜0メートル地域となっており、とにかく平地だらけである。そのため自転車での移動が容易であるが大きな要因である。

ちなみに国土交通省の最新の統計によると、日本の自転車保有台数は6870万台で、約2人に1台の割合である。自転車というと中国のイメージが強い。確かに中国の自転車保有台数は3億7000万台で世界第1位である。但し、一人当たりの台数で計算すると0.27台となり、日本の半分くらいの数値となってしまう。

 

「インドネシアでM6.2」

本日の東京新聞朝刊に、インドネシアのスラウェシ島西部の地震の模様が報じられていた。
スラウェシ島は、地理の授業の中でも身体を使って真似をして紹介したが、覚えているかな。
スラウェシ島を含むユーラシアプレートの南東部は東から太平洋プレートが押し寄せ、南からインド・オーストラリアプレートが押し寄せる「狭まる境界」に囲まれている。そのため、スラウェシ島を含むインドネシア一帯は、火山が集中する弓形(ゆみなり)の弧状列島となっている。日本と同様、火山の噴火や地震、津波の被害から免れない地域である。

下記の教科書の地図を見てくれれば分かるが、インドネシアの首都ジャカルタの北部にあるカリマンタン島は形が整っている。つまり環太平洋造山帯から外れており、地震や火山の被害が少ないことで知られている。現在インドネシア政府は首都をジャカルタからカリマンタン島に移転する計画を進めているが、自然地理学的には正しい政策である。

「若者ら、発電所建設で企業に質問状」

本日の東京新聞朝刊に、慶應大の学生らが中心となって、地球温暖化や大気汚染に直結する石炭火力発電のプラント輸出を担っている企業に公開質問状を送ったとの記事が掲載されていた。

火力発電の燃料には大きく石炭、原油、天然ガス(LNG)の3つがある。日本だと10年前まではLNGが火力発電の中心で、石炭火力発電は大気汚染の点からあまり活用されていなかった。しかし東日本大震災後、原発が大きく発電量を減らしたので、すでに操業を止めた石炭火力発電所を再稼動して不足分を賄っている。

石炭火力発電であるが、世界全体の発電量の4割を占めており、総石炭発電量の半分を中国、他にインド、米国、豪州、日本などがランキングの上位に顔を出す。石炭は不純物を含むため、二酸化炭素や窒素酸化物の排出が多い。記事の若者が取り上げる地球温暖化を全面に掲げるならば、石炭火力発電こそが環境悪化の元凶となってしまうであろう。

しかし、私はどうもこの流れに違和感を禁じ得ない。勿論、石炭の代替エネルギーとして再生可能エネルギーを充当するならば異論はない。ただし、あと30年でそれが実現できる保障はない。現在の菅政権は温室効果ガスの排出ゼロの担保として、原子力発電所の活用を提言している。穿った見方かもしれないが、石炭火力発電を悪者にするという意見は、容易に原子力発電の再評価に繋がっていくおそれがある。

中期的には石炭火力発電を即時に全廃するのではなく、古い石炭火力発電所を新しい設備に更新しつつ、温室効果ガスの排出が少ない天然ガスをつなぎとして活用し、再生可能エネルギー100%社会を目指すという形が望ましい。そして、原発こそ即時に停止し、世界全体で廃炉の研究を進めるべきである。

よく分からない文章になってしまった。

「メルケル後継に関門」

本日の東京新聞朝刊の国際面に、ドイツのメルケル首相の後継者の顔ぶれが紹介されていた。
記事には詳しく書かれていないが、ドイツは日本と同じく議員内閣制を採用している国である。議員内閣制では、通例与党第1党の党首が首相に任命される。自民党だけは党首のことを「総裁」と呼び習わしており、菅内閣総理大臣が就任前に、岸田さんや石破さんを破って、自民党の総裁選に勝利したことは記憶に新しい。

しかし、メルケル首相は2年前に選挙での惨敗の責任をとり、党首の座を下りて残りの首相の任期を全うしたら政界を引退すると表明した。今年の9月に予定されている総選挙に先だって、今月16日にメルケル首相が所属するキリスト教民主同盟の党首選が行なわれる。本来であれば与党第1党のキリスト教民主同盟の党首が内閣総理大臣を務めるのだが、メルケル首相の任期があと半年近く残っているので、今度選出される党首は総理候補として9月の総選挙を闘う力量が問われることになる。

メルケル首相は授業中にも触れたが、EUの盟主でもあり、難民対策でも寛容な姿勢を貫いてきた政治家である。しかし、中東情勢の悪化に伴いEUに流入する難民が急増し、各地で文化や宗教を巡る衝突が繰り返されるようになり、ドイツ国内からの支持基盤も揺らぎつつある。メルケル首相の寛容な態度に真っ向から反対する、排外主義を全面に掲げた右派政党が勢力を伸ばしつつある。

ドイツのドメスティックな話題にはあまり興味はないが、EU全体の方向に影響を及ぼす、9月の総選挙の結果には注目していきたい。

「干しいも 人気ホクホク」

本日の東京新聞夕刊に、茨城県産の「干しいも」が人気だとの記事が掲載されていた。記事によると、茨城県が干しいもの生産量日本一となっている。確か、サツマイモの生産量第1位は鹿児島県だったはずだと、気になってネットで調べてみた。

2019年の農林水産省「作物統計」によると、生産量第1位の鹿児島県は26.1万トン、第2位の茨城県が16.8万トン、第3位の千葉県が9.4万トン、以下、宮崎県、徳島県、熊本県と続いていく。「やはり鹿児島じぇねえか」と思ったが、よ〜く記事を読むと、茨城県は干しいも専用のサツマイモの生産量が第1位ということである。鹿児島県産のサツマイモの半分近くは芋焼酎の原料(黄金千貫という種類)となっている。記事にある通り、茨城県産の「干しいも」は国内で圧倒的なシェアを誇っている。

またサツマイモは、業界では「しっとり系」と「ホクホク系」、「ネットリ系」の3種類に分類されており、現在は昔ながらの紅あずまを代表とする「ホクホク系」に代わって、スイーツのような「しっとり系」の安納芋(鹿児島県産)や、「ネットリ系」の紅あずま(茨城県産)が人気となっている。