「若者ら、発電所建設で企業に質問状」

本日の東京新聞朝刊に、慶應大の学生らが中心となって、地球温暖化や大気汚染に直結する石炭火力発電のプラント輸出を担っている企業に公開質問状を送ったとの記事が掲載されていた。

火力発電の燃料には大きく石炭、原油、天然ガス(LNG)の3つがある。日本だと10年前まではLNGが火力発電の中心で、石炭火力発電は大気汚染の点からあまり活用されていなかった。しかし東日本大震災後、原発が大きく発電量を減らしたので、すでに操業を止めた石炭火力発電所を再稼動して不足分を賄っている。

石炭火力発電であるが、世界全体の発電量の4割を占めており、総石炭発電量の半分を中国、他にインド、米国、豪州、日本などがランキングの上位に顔を出す。石炭は不純物を含むため、二酸化炭素や窒素酸化物の排出が多い。記事の若者が取り上げる地球温暖化を全面に掲げるならば、石炭火力発電こそが環境悪化の元凶となってしまうであろう。

しかし、私はどうもこの流れに違和感を禁じ得ない。勿論、石炭の代替エネルギーとして再生可能エネルギーを充当するならば異論はない。ただし、あと30年でそれが実現できる保障はない。現在の菅政権は温室効果ガスの排出ゼロの担保として、原子力発電所の活用を提言している。穿った見方かもしれないが、石炭火力発電を悪者にするという意見は、容易に原子力発電の再評価に繋がっていくおそれがある。

中期的には石炭火力発電を即時に全廃するのではなく、古い石炭火力発電所を新しい設備に更新しつつ、温室効果ガスの排出が少ない天然ガスをつなぎとして活用し、再生可能エネルギー100%社会を目指すという形が望ましい。そして、原発こそ即時に停止し、世界全体で廃炉の研究を進めるべきである。

よく分からない文章になってしまった。