本日の東京新聞夕刊より。
ちょうど、昨日この授業ブログで、ベラルーシのルカシェンコ大統領の横暴を支えるロシアのプーチン大統領に触れたばかりだったので、目に留まった記事である。要はプーチン大統領とルカシェンコ大統領の関係はズブズブであり、ちょうど中国と北朝鮮、米国とイスラエルのように、世界戦略を巡らす大国と刀疵を受けながら大国の前線に立つ小国の関係と似ている。中世の日本で言うところの、将軍と武士の間の「御恩と奉公」の関係といった方が通りはよいだろうか。日本の歴史に照らすと、やがて武士が将軍を倒す下克上の世になっていくのだが、果たしてルカシェンコがプーチンを「倒幕」する時がやってくるのだろうか。
「地理」カテゴリーアーカイブ
「米、ベラルーシ制裁へ」「ロシア大統領がベラルーシ支持」
本日の東京新聞朝刊に、対照的な2つの記事が並んでいた。事件の発端は、親ロシアのベラルーシのルカシェンコ政権が、領空を通過中のアイルランドの国際旅客機を強制着陸させ、反政権派記者を拘束したことによる。ベラルーシ国内に欧州向けの原油や天然ガスのパイプラインを設置しているロシアは、いち早くルカシェンコ政権支持を表明している。一方で、欧米は一斉に、ベラルーシの民主化運動とも連携し、「ヨーロッパ最後の独裁者」とも称されるルカシェンコ政権に対する批判を展開している。
ベラルーシ情勢は、昨年の授業でも何度か取り上げたことがある。今年度の授業でも、ルカシェンコ大統領のみならず、プーチン露大統領や習近平中国国家主席、金正恩朝鮮労働党総書記といった面々には何度か授業の俎上に上っていただこう。。
「仏 ルワンダ虐殺に『責任』」「独 ナミビア虐殺認める」
本日の東京新聞朝刊に、アフリカのルワンダとナミビアに関する記事が掲載されていた。
まずルワンダであるが、パッと場所が思い浮かぶ高校生は少ないであろう。アフリカ大地溝帯に位置するため、通常は地中深くに眠るレアメタルが産出される。特にスマホのコンデンサにも使われるタンタルの産出は世界第1位である。また、ナミビアは大陸西側に位置するため、沿岸をベンゲラ海流という寒流が流れており、降水量が極めて少ない。世界遺産にも認定されているナミブ砂漠が広がっている。ちなみに、ナミブ砂漠というと、1000年から2000年も生きると言われているウェルウィッチアを覚えておきたい。
記事によると、ドイツ政府は旧植民地であったナミビアで先住民族を虐殺したことを認め、1,400億円の投資を約束したとのこと。色々な見方があるのだろうが、私は第二次世界大戦後の東南アジア諸国に対する日本政府のやり方に似ているような気がして、あまり感じの良いものとは思わなかった。サンフランシスコ平和条約締結後、日本はフィリピンやベトナムなどの一部の国を除いて賠償金を支払っていない。その代わりに日本企業の工場を作ったり、日本製品を提供するなどの「経済協力」を行なってきた。そうした戦後賠償を元手に高度経済成長を突っ走ってきた歴史がある。
ドイツのやり方もこれから人口爆発を迎え、世界市場に躍り出てくるアフリカに再び参入しようとする時代錯誤な帝国主義的な臭いを感じてしまう。穿った見方なのかもしれないが、アメリカやロシア、中国など顔ぶれこそ異なるが、アフリカ分割が繰り返されているように思えてならない。
「シリア大統領選 アサド氏圧勝で4選」
本日の東京新聞朝刊に、シリアのバッシャール・アサド大統領が得票率95%で圧勝したとの記事が掲載されていた。地図を見れば分かるが、シリアはロシアの宿敵であるトルコの南側に位置する。トルコを挟み撃ちにする絶好の地域であるため、ロシアから軍事支援を受け、父のハフェズ・アサド前大統領時代から50年以上にわたって、アサド政権はシリア支配を続けている。また、アサド政権は中東イスラム諸国の大半を占めるスンニ派ではなく、イスラム世界ではマイナーなアラウィー派との関係が深い。
2010年頃、イスラム世界では「アラブの春」という民主化運動が巻き起こった。チュニジアやエジプト、リビアといった国で次々と独裁政権が崩壊していった。シリアでもアサド独裁に対する反政府活動が活発化したのだが、他の国と異なり、反政府組織に同調して、イスラム過激派やスンニ派の周辺諸国が次々と参戦するという構図になってしまったのだ。特にロシアの後ろ盾があるアサド政権に対し、トルコがアメリカの支援を受けて内戦に加担したため、シリア内戦は泥沼化していく羽目になった。その結果として、シリア難民が大挙してヨーロッパに押し寄せたのは記憶に新しいところである。また、シリアやイラク、トルコ域内で暮らすクルド人も難民化し、日本でも難民申請が急増することとなった。
話が本題からずれてしまった。難民問題はまた後日取り上げたい。
「『避難指示』で即行動を」
本日の東京新聞朝刊より。
今日仕事を終えて家に帰ったら、郵便ポストに春日部市のハザードマップが入っていました。洪水や地震の際の危険段階を示した「メッシュマップ」が掲載されているものです。皆さんの住む自治体でも作成されて、全戸に配布されているものなので、一読してみてください。
埼玉県は内陸の海無し県なので、津波の被害とは無縁だと思いがちですが、八潮市の中川沿いには浮塚や垳、潮止といった少し変わった地名が残っています。これらの地域は周囲よりも海抜が低いので、津波によって海水が中川を逆流し、八潮付近まで押し寄せたことを示しています。
記事によると、自治体がこれまで出して来た「避難勧告」が廃止され、「避難指示」に一本化されたとのことです。皆さんが住む地域の防災拠点や避難場所を常日頃から確認しておかないと、いくら指示が出ても、すぐに行動に移すことはできません。特に洪水被害が予想される埼玉東南部地域では、浸水被害予想に着目しておきましょう。






