小林康彦『キャンプ・合宿・ハイキング:自然教室のしおり』(岩波ジュニア新書 1985)をパラパラと読む。
今話題のキャンプのイロハや地形図の見方、ハイキングでの歩き方など、著者の経験則が著者の言葉で直に語られる。どの項も体系的ではないが、イラスト入りで分かりやすい。
投稿者「heavysnow」のアーカイブ
「ロシアの飛び地 新たな火種」
「諏訪湖『釜穴』の仕組み解明」
本日の東京新聞朝刊に、諏訪湖の湖底から、数万年前に生成されたメタンガスが発生しているとの興味深い記事が掲載されていた。
少し難しい話をすると、諏訪湖は、松本盆地、諏訪盆地、伊那盆地などの、長野県を縦に走る糸魚川-静岡構造線を西縁とする大地溝帯(フォッサ・マグナ)のど真ん中に位置する。記事の下の図にあるように、太平洋プレートが西進によって形成される北米プレートとユーラシアプレートの狭まる境界と、中央構造線のずれる境界がちょうど交差する位置にある。
諏訪湖もアフリカ大地溝帯のタンガニーカ湖やロシアのバイカル湖のように、断層運動によって大地の窪みにできる地溝湖となっている。今回の記事も地溝湖ならではのスケールの大きい話である。諏訪湖を地図で調べても平均水深4.7m、最大水深7.4mとしか出てこない。しかし、記事では地下150mもの深さからメタンガスが放出されているという。
これと同じ話を、10年ほど前に長野県大鹿村にある中央構造線博物館を訪れた際に、もう引退された河本和朗学芸員が身体を使ってレクチャーを受けたことがある。手や腕を巧みに使って、中央構造線のずれと、諏訪湖の形成を説明されていたのを今でも記憶している。
私も河本氏の考えに従って、授業中はなるべくスクリーンの絵ではなく身体を用いて内的営力や外的営力を表現するように心がけている。授業を受けている高校生には、はしゃぐ中年男性としか映っていないかもしれないが。
「アフガン地震 救助難航」
本日の東京新聞夕刊に、アフガニスタン東部で発生した地震の模様が報じられていた。
地図帳でアフガニスタンの位置と今回の地震の発生地域、プレートの境界線の地図を並べてみたい。
言わんとするところは分かるであろう。アフガニスタンとパキスタンの国境沿いは、ヒマラヤ山脈を形成したユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートの境界に位置している。プレート同士が横にずれる境界であり、歪みが放出された時に、地中内部だけでなく、地表面も多きくずれることが多い。政府が機能していないアフガニスタンなので、最終的な死者・行方不明者はかなりの数に上るであろう。
日本にとっても、決して対岸の火事で済まされる災害ではない。現在国会は閉会中だが、難民の受け入れなど積極的な支援策を期待したい。
『影男』
江戸川乱歩『影男』(ポプラ社 1971)を少しだけ読む。
1955年(昭和30年)1月から12月まで、光文社の『面白倶楽部』に掲載された作品である。空き地の広がる東京の外れの尾久や世田谷などの風景などが紹介さえ、高度経済成長が始まる以前の終戦後の日本の様子が感じられた。話の展開は少し飽きてしまった。







