『セックスレスな男たち』

家田荘子『セックスレスな男たち』(集英社 1996)を読む。
仕事に没頭し、趣味やスポーツはたまたマスターベーションに励む「セックスレス」な男性に、著者家田さんが女性という視点から取材を重ねる。既婚の男性の多くは、妻を母親と重ねて合わせてしまい、女としての妻に向き合うことから逃げてしまう。また未婚の男性の数人は、仕事のストレスやコンピュータ、一人ですることの気楽さを理由に、女性と真っ向勝負するセックスから逃げてしまう。家田さんは「セックス」という事象を通して、現実社会に居場所を見つけにくい男性の姿を浮き彫りにする。

『給与明細:一枚の紙に刻まれた、人生のドラマ』

テリー伊藤『給与明細:一枚の紙に刻まれた、人生のドラマ』(スターツ出版 2004)を読む。
テレビ東京で現在も放映されている同タイトル番組の単行本化である。DJやパティシエ、ネイルアーティスト、ホスト、キャバクラ嬢など、会社団体組織の人間からは縁遠い人たちの給与明細を明かす内容となっている。同じ職場の人の給与すら皆目知らない日本の社会で、他人の給与明細を見るという企画は面白い。今度テレビの方も見てみたいものだ。

『稼ぐが勝ち:ゼロから100億、ボクのやり方』

堀江貴文『稼ぐが勝ち:ゼロから100億、ボクのやり方』(光文社 2004)を読む。
当時ライブドア社長としてマスコミにもてはやされ、気炎万丈な頃の堀江氏の成功談である。しかし、その中身であるが、企業を立ち上げ利益を増やすための経営戦略に関する記述はほとんどない。「できるヤツはいいレストランで息を抜く」「自己中でいこう」「成功体験をもてるかどうか」「資金は一気に集めろ」「アルバイトはすぐにやめよう」「人の心はお金で買える」といったように100億稼ぐにあたってのモチベーションを高める宗教本のような様相を帯びている。これはこれで当時は面白かったのであろう。

『創価学会インタナショナルの実像』

段勲『創価学会インタナショナルの実像』(リム出版新社 2003)を読む。
学会の批判で有名なジャーナリスト段勲氏が、創価学会インタナショナル(SGI)の会長として世界を闊歩する池田大作氏の顕彰に対する執拗なまでのこだわりや名誉欲を暴き出す。創価学会の側へのインタビューはなく、聖教新聞や広報誌などから一方的に人物像を作り上げたような部分もあり、全部信用することはできないが、自民党との政治取引など表に出てこない闇がまだまだ数多く残されているのであろう。

『16blocks』

16blocks_movie

リチャード・ドナー監督、ブルース・ウィリス主演『16blocks』(2006 米)を観に行った。
研修帰りにふと立ち寄ったさいたま新都心の映画館で、タイムスケジュールですぐに上映が始まるものを選んだため、全くの予備知識無しに観た。ブルース・ウィリスが出るということすら知らなかったのだが、話も単純で分かりやすく低予算の映画なりに楽しむ事ができた。