『わからなくなった世界情勢の読み方』

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池上彰『わからなくなった世界情勢の読み方』(講談社 2001)を読む。
9.11米同時多発テロのすぐ後に書かれた本で、テロ直後にオサマ・ビンラディン一派に対する戦いを、「新しい十字軍の戦いだ」と口走るブッシュ大統領の単純な世界認識を批判的に取り上げながら、サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』をベースに世界情勢を分かり易く語る。

ブッシュ大統領の語るアメリカ型民主主義か専制的な非民主主義かという二項対立的な世界観は米国に伝統的なものであることを知った。アメリカのトルーマン大統領は1947年3月に「民主主義にもとづく生活か、少数が多数を抑える生活か、そのどちらかを、すべての国民が選択しなければならない」と世界を自由主義という善と共産主義という悪に二分してソ連に対して「封じ込め政策」を実施している。また、ジョンソン大統領は「アメリカの掲げる民主主義は、誰もが望むもののはずだ。それに反対する者がいるとすれば、それは、ソ連や北ベトナムに操られた共産主義者に違いない」と、北ベトナムへの爆撃を開始していく。
コインの裏表で、敵を次々と作り出すアメリカの世界観にはだまされるな〜(ちょっと古いか)

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