嶽本野ばら『恋愛の国のアリス』(朝日新聞社,2004)をパラパラと読む。
前半は朝日新聞に連載された恋愛に関するコラムがまとめられている。
後半は女性誌「KERA(ケラ!)マニアックス」に掲載された内容で、趣旨が分からなかった。
パラパラと読んだだけだが、興味を引いた内容があったので紹介しておきたい。
女子は(男子が恋愛で口にするような)「傷つけたくないから」なんてことは滅多に口にしません。それは傷付くことのリスクを承知で、常に恋愛しているからです。相手を傷付けることになっても、勝手に向こうが好きになってきて自爆して傷付いた場合でも、女子は自分の加害者としての立場を受け止めます。恋愛に於いて男子は何時も最後までいい訳するが、女子はどんな時でも最初から開き直っている。(中略)恋に堕ちてしまったならば、女子は狡いこともいっぱいしますが、基本的には特攻の精神で腹を括るのです。恋愛が修羅場になれば男子より女子の方が肝が据わるといわれますが、恋愛に突入した時点で既に女子はどういう結末になろうが全ての責任は自分にあると決めているのです(後略)
殆どの男子には気になる異性が現れても、外見的な変化が起こりません。(中略)男のコが、見違えるようになったと誉められるれるのは、人の意見をそのまま取り入れる場合に限られます。(中略)
女子は恋をしたならば、恋愛の情を栄養源にして自分で自分を磨いていけます。(中略)女のコの容姿や仕草が恋愛で磨かれる理由(中略)貴方の体内には貴方を映しだす鏡が存在するのです。恋をしていない時は、鏡の中の自分に興味を示さない。しかし、一度恋愛すると貴方は無意識にその鏡を眺め(中略)鏡と向き合い、ああでもない、こうでもないと試行錯誤するうち、自然と貴方は昨日の貴方よりも綺麗になっているのです。
この体内鏡を男のコは持っていません。(中略)これは女子は皆、オリジナルの美しさを手に出来るのに、男子はオリジナルのカッコ良さを得ることが難しいという男子には厳しい摂理を導き出します。