花園誠編著『動物とふれあう仕事がしたい』(岩波ジュニア新書,2003)を読む。
中高生向けに、獣医師や動物園_水族館の飼育員だけでなく、動物看護師や愛玩動物飼養管理士、ハンドラー、乗馬療法指導者など、畜産以外の動物に関わる仕事が紹介されている。
ちょうど刊行と同時期の2002年に、帝京科学大学にアニマルサイエンス学科が開設されている。帝京大学の教員も何本か執筆しており、「人間と動物の共生」を謳う帝京大学アニマル〜学科に設置されたコース(アニマルサイエンスコース、アニマルセラピーコース、野生動物コース、動物看護福祉コース)と本書の章立てが見事に一致している。
上野動物園や多摩動物園の飼育員になりたい場合は、東京都の「畜産職」枠での採用となるため、畜産や生物の知識が必要となる。東京都との令和6年度採用要項をみると、事務555人、土木65人などに対し、畜産は2人と狭き門となっている。
また、獣医学はアメリカが世界の最先端であり、世界中から優秀な獣医が集まって切磋琢磨している環境がある。
昨年より、ニューヨークでは警察犬の代わりにAIロボット犬が導入されている。「心の癒し」を提供する動物と冷静無比なAIとは真逆なものであるが、AIの発達によって犬のもつ組織的性格は代用されてしまうのであろうか。