「平和憲法と教育の危機」

6月20日、浦和コミセンで開催された前川喜平氏講演会「平和憲法と教育の危機」(九条の会・さいたま)に参加した。予定時間を30分もオーバーする熱の入った講演で、前半は自民党の憲法改正案の危険性や、岸信介や安倍晋三の亡霊に取り憑かれた岸田政権の批判が中心であった。自民党は憲法改正の本旨として「自衛隊の明記、緊急事態対応、合区解消・地方公共団体、教育充実」の4項目を掲げている。憲法9条を維持した上で、自衛隊を明記するという玉虫色の改憲案だが、集団的自衛権との矛盾は明白で、「自衛」の名の下に米軍との一体化に歯止めがきかなくなってしまう。緊急事態対応も自衛隊の明記と同じく、「災害時に国民の生命、身体及び財産を守る」という名目で、政府に権力を白紙委任してしまうものである。
後半は1997年以降加速した教育改革に関する話であった。1997年という年は、西尾幹二や藤岡信勝を中心とした「新しい歴史教科書を作る会」が設立された年であり、あわせて中川昭一や安倍晋三を中心とした「日本の前途と歴史教育を考える議員の会(教科書議連)」が作られ、また、保守系政治団体の「日本会議」が大同団結した年とも重なる。1997年以降、矢継ぎ早に「日の丸・君が代」の法制化や教育基本法の改正、奉仕活動、道徳の教科化、教員免許更新制、日本学術会議への介入と、国家主義的な教育改革が実施されてきた。そうした教育再編の背後に、岸信介以降、一貫して改憲の看板を掲げ続ける自民党の本音を見ていく必要がある。
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本日、九条の会・さいたま主催による「平和憲法と教育の危機」と題した前川喜平講演会に参加した。大変参考になる講演会であった。あちこち話が飛んでいるようで、実は首尾一貫して主催者が期待した内容を話されていた。補足して、講演会の内容をまとめておきたい。

九条の会が主催であったので、冒頭は自民党の憲法改正の動きの分析であった。岸田総理は解散してしまったが、元々自民党護憲派の宏池会の会長である。その派閥の会長が改憲に前向きな姿勢について、前川氏は安倍晋三元総理と同じスタンスで、遡ると岸信介の亡霊が取り憑いていると評する。

自民党は憲法改正のイメージとして①自衛隊の明記、②緊急事態対応、③合区解消・地方公共団体、④教育充実の4項目を提示している。
①自衛隊の明記については、9条そのものは維持した上で、以下の第2項を加えるというものである。

(第1項)前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
(第2項)自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

しかし、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのガザ侵攻、日本のアジア侵略も「自衛」のための戦争である。しかもその自衛が意味するのは軍事条約を結んだ国との「集団的自衛権」である。アメリカは自国では戦争しないくせに、他国での戦争を繰り返している。自衛のための戦争という文言を入れることで、限りなくアメリカの戦争に付き合うことに繋がってしまう。

②緊急事態対応は憲法第73常に次の文言を付け加えるというものである。

第73条の2
(第1項)大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。
(第2項)内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速やかに国会の承認を求めなければならない。

緊急事態条項はもともとナチスに協力的であったドイツのカールシュミットの考えが元になっている。ナチスが政権を取る段階で、共産党や社会党を次々と追い込んでいったのが緊急事態条項である。

また、上記の緊急事態対応に即して、③地方自治法もされている。今般の改正法には、感染症の大流行や大規模災害など国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生した場合、個別の法律に規定がなくても国が自治体に必要な指示ができるとした特例が盛り込まれている。

講演会の半ばから④教育改革の話が中心であった。前田氏は自民党政治と教育の関わりから話を始める。そもそも岸信介は、道義や血のつながりを重んじ、天皇と国家への忠誠を絶対視する國體思想の持ち主であったそうだ。国家主義者なのに、米国にひたすら従属するという考えも安倍、岸田に受け継がれている。

サンフランシスコ講和条約は米軍が日本の基地を使い、日本を守る義務のない片務的な条約であった。岸信介は

サンフランシスコ条約は米軍が一方的に使うだけの片務的なる条約。岸信介は1960年安保で双務的なものとした。日米対等の軍事条約を目指したのが岸信介、安倍晋三、そして岸田総理。
アメリカの自衛のための戦争にも協力するものだが、アメリカは自国では戦争していないが、国外では戦争を繰り返している。
2014.7集団的自衛権の「合憲」化。内閣法制局は内閣府の一組織であるが、独立したもの。しかし、安倍は内閣法政局の長官の首をすげ替えて、憲法解釈を変えて法案をゴリ押し。
個別的自衛権のみだったので自衛隊は憲法の範囲内だと認められてきた経緯がある。集団的自衛権まで行使したら、完全に憲法違反。
日本でも軍産複合体ができる可能性。そうなると無用な戦争が増える。戦争がないと商売あがったり。
アメリカのロッキードマーチンなど、プーチンとネタニエフのおかげでウハウハ
古くなった武器は日本が買ってくれるし。チェイニーやラムズフェルドなどは軍需産業出身。
三菱重工業やIHIなどは軍需産業として生き残ろうとしている。経団連も軍需産業の支援を政府に要請。軍需産業への天下りなども
軍産学複合体も進んでいる。2017年度には防衛省から100億円の予算。学術会議で侃侃諤諤のが議論。文科省からの予算が減っているので、防衛省からの予算を使う学者もいたが、日本学術会議は反対の意見を表明。そのため菅政権で学術会議人事にケチをつけた。岸田総理も6人任命拒否のまま。
大学に対しても稼ぐことができる大学、3%の成長を促す大学
安倍一強政治は今でも続いており、マスコミと教育に対する政治介入
日本の報道の自由度は70数位。コンゴの下。

中曽根臨教審 人間は国家の宿命を帯びて生まれる
教育改革から憲法改革に繋げたいという思い。
しかし、ー中曽根は臨教審は失敗だったと書いている
それを引き継いだのが森喜朗の教育改革国民会議
道徳を推し進める。

1997年が教育改革の目印。
教育と愛国という映画に詳しい。
新しい歴史教科書を作る会結成1997年
同じく日本会議の大同団結1997
1997自民党教科書連盟結成
上記の団体が従軍慰安婦を書いた教科書を徹底攻撃。