『竹人形殺人事件』

内田康夫『竹人形殺人事件』(角川文庫 1997)を読む。
1992年に刊行された本の文庫化である。バブル真っ只中で開発の波が押し寄せる福井県を舞台に、水上勉が小説で描いた「越前竹人形」の伝統と、観光客を呼び寄せるための開発に伴う汚職が複雑に絡み合う。

作者のミステリー量産期に書かれた作品で、事件のカラクリの「フォーマット」に地名とモチーフを抛り込んだだけの、荒削りな内容となっている。

冬休みの気分転換にちょうど良い作品であった。