『幸徳秋水』

坂本武人『幸徳秋水:明治社会主義のシンボル』(清水書院 1972)を少しだけ読む。
幸徳秋水は、1901年に日本最初の社会主義政党である「社会民主党」の創設メンバーに名を連ねている。やがて日本の社会主義運動が直接行動か議会政策に分かれていく中で、荒畑寒村や堺利彦らと赤旗事件をを起こし、一挙に暴力革命へと流れ込んでいく。

ただし、大逆事件そのものは証拠がないのか、評価が分かれるのか、ほとんど語られないまま、唐突にあとがきを迎える。読後感の悪い本である。