ジークフリート・フーバー著、三輪晴啓訳『謎の帝国 インカ:その栄光と崩壊』(佑学社 1978)をざっと読む。
南米を扱っているので、教材研究の一環として手に取ってみた。半分がペルーの古代王朝のインカの神話にまつわる話と、もう半分がスペインの軍人フランシスコ・ピサロがインカを制圧した際の細かいやり取りが説明されている。
訳者のあとがきによると、著者はピサロがインカ帝国を滅したというよりは、帝国自体が自壊作用をはじめており、征服者はむしろそれに立ち会うべく召されたという説明を行っている。納得も反論もできない話である。