「抗議声明 2019年10月10日 12.12靖国抗議見せしめ弾圧を許さない会」

以下,救援連絡センターのメーリングリストより転載

本日、東京地裁刑事第7部(裁判長・野澤晃一)は、昨年12月12日に靖国神社で香港市民が行った抗議行動等を「建造物侵入罪」で起訴した事件について、被告人である郭紹傑(グオ・シウギ)さんと嚴敏華(イン・マンワ)さんを、有罪とする不当判決を下した。(注)
被告人両名は、「正当な理由なく靖国神社の敷地内に侵入した」>として起訴されたが、まず同神社外苑は、日常誰でも自由に出入りできる場所である。郭さんはそこで「南京大虐殺を忘れるな」と書かれた横断幕を広げて、日本軍国主義、南京大虐殺、靖国神社A級戦犯合祀に対する批判のアピールを行ったのであって、これは正当な言論・表現の自由に属する行為である。また嚴さんは、ジャーナリストとして事実を報道するために、郭さんの抗議行動をビデオで撮影していただけである。
かれら2人の行為はなんらの犯罪をも構成せず、逮捕・起訴自体が不当だ。被告人両名は無罪である。
しかし裁判所は、公判において、従来の同様の抗議行動で逮捕・起訴された事例がないことなどの重要な証拠を採用せず、いたずらに形式的な論理を用いて有罪判決を下した。さらに裁判所は、被告人両名に対する度重なる保釈申請をも却下し続けて、結果的に10か月にわたって身柄を勾留し続けるという、重大な人権侵害を行った。この長期勾留は、人質司法・実質的な刑罰の先取りであり、決して許すことはできない。
今回の2人への逮捕・起訴、長期勾留はまったく常軌を逸したものであった。それは、日本の侵略や植民地支配の歴史的事実を否定し、歴史修正主義の姿勢をますます強化する安倍政権の政治姿勢に対する、警察・司法による忖度だったと断じざるを得ない。本日の判決もまた、裁判所がそのことを追認したしたものである。われわれはこれを厳しく弾劾する。
被告人両名は既に、この不当判決に対して控訴して闘う意思を明らかにしている。われわれ救援会も、彼らを支援し、共に闘い続けることをここに表明するものである。

(注)判決主文「被告人グオシウギを懲役8月に、被告人インマンワを懲役6月に処する。被告人らに対し、未決勾留数中書く150日を、それぞれの刑に算入する。被告人らに対し、この裁判が確定した日から各3年間、それぞれその刑の執行を猶予する」

12・12靖国抗議見せしめ弾圧を許さない会
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