マルクス・エンゲルス『共産党宣言』(大月書店 1983)をさらっと読む。
もちろん1948年にドイツ語版で刊行されたカール・マルクスの代表作である。
確か高校生か浪人生の頃に読んだのであろうか。当時は世界史の参考文献として手にとったのであろうか,世界史という複雑なジグソーパズルの一コマを埋めたような快感があったことを覚えている。
世界はブルジョワジーとプロレタリアートの2つの階級に二分されていき,その対立関係が矛盾を生じ,やがてその矛盾がどうしようもなくなったとき,何も持っていない万国のプロレタリアートは団結し,社会秩序全体を転覆させろというのが趣旨である。その中には,累進税の強化や都市と農村の対立の解消,児童の工場労働の撤廃など,今もって世界で実現されていない問題を提示している。
古くて新しい共産主義運動(思想)をどういう観点で理解していくのか,やはり今後とも万人に問われるべき課題である。