NHKスペシャル「巨龍中国 一帯一路 ~“西へ” 14億人の奔流~」(2017年10月14日放送)を見た。
カザフスタン、ポーランド、ドイツの3国と中国の経済交流の拡大の実態を追う。中国の隣国であるカザフスタンの小麦や石油が中国企業に占められつつあるというのは理解できるが、ポーランドでもメイドインチャイナの商品が流通し、また中国の富裕層の需要に応じたドイツブランドの買い占めが激化しているという。中国とヨーロッパを結ぶ一大貿易圏の誕生の背景には、2011年に開通した大陸横断鉄道がある。この貨物列車は、重慶から世界最大級の内陸港を有するドイツのデュイスブルクまでの1万1000㎞を、わずか15日間で走り抜ける。
この数年、日中関係の悪化が取り沙汰されるが、その間に拡大したユーラシア大陸全域を中心とした経済に、日本は乗り遅れている。そもそも東ヨーロッパや中央アジア自体に日本人の関心は薄い。アスタナがどこの国の首都なのか答えられる人はどれだけいるのだろうか。地理的関心の向上が必要である。