『スローセックス実践入門』

アダム徳永『スローセックス実践入門:真実の愛を育むために』(講談社+α新書 2006)を読む。
世界にも類を見ない「セックススクール」を経営する著者が、”前戯15分挿入5分”というジャンクセックスを脱し、性エネルギーの交換を伴う”愛戯30分交接30分”のスローセックスを提案する。特に、男女の性感の違いに着目し、男女ともに絶頂を味わうためのノウハウがイラスト入りで詳細に説明されている。
セックスというと表立って話をしにくいため、誰しもが本能のままに正解にたどり着いているようなイメージがあるが、著者に言わせるとセックスはスポーツと同じであり、弛まないトレーニングによってしか技術の向上は計れないのである。
最後に著者は次のように述べる。セックスを合気道や陶器制作と置き換えても十分に通用しそうな内容である。

  テクニック上達に置いて、もっとも重要なことは、基本をマスターすることにあります。スローセックスの根幹を支える”アダムタッチ”は、とてもシンプルなテクニックです。ですから、表面的な形や動きだけは、誰でもすぐにマネすることができるでしょう。けれども、女性の性メカニズムにフィットした、絶妙なタッチ圧や、指を動かす速度には、針の穴を通すような厳格な正確さと持続力が求められるのです。シンプルだからこそ、逆にその真髄に迫るのは難しいといえるかもしれません。その他に紹介したテクニックも同じです。技術を頭で覚えるだけではダメなのです。
 今現在のあなたは、頭でっかちな子どもとなんら変わらぬ存在であることを、素直に自覚しなければなりません。頭ではなく、指先が覚える間で、何度でも繰り返しトレーニングして、基礎をみっちり叩き込んでください。実践はすべて応用問題です。トレーニング不足で基礎が揺らいでいまうようなテクニックは、リアルセックスでは何の役にも立たないです。論理・技術・トレーニングは三位一体であることを肝に銘じましょう。

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