『原稿用紙10枚を書く力』

齋藤孝『原稿用紙10枚を書く力』(大和書房 2004)を読む。
先日、創価大学から履修の案内が送られてきた。4月より12月までにレポートを24本、5月から来年1月までに10科目の試験を受けていくことになる。そこで、24本のレポートがなるべくスムーズに書けるようなヒントがないかと手に取ってみた。
齋藤氏は、「書く力」について、考える力と構築力、文体の3つの視点から、文章を書く前段階の準備、文章の構成や展開、そして対象や立ち位置などの文章の生命力について分かりやすく解説をしている。筆者は「3」という数字にこだわり、文章を構築する際に、性格の違う3つコンセプトをつくり、その3つを繋げる論理を組み立てていくと、自ずとオリジナリティのある形にまとまると述べる。

読書感想文の作成を通した文章力の向上について次のように述べる。

 (3色ボールペンなどを活用して)おもしろい部分を選び、それをグループ分けする訓練ができる。次に必要なのはそこから三カ所を選び出すことだ。自分のアンテナにひっかかりを感じた部分をはっきりさせる。それにベスト3、ワースト3までの順位をつけてみる。
 私が子どもたちの作文指導をするときには、その本の中で自分が何かしらひっかかった部分を、必ず三カ所はあげるように指示する。その三カ所は一文とは限らず、三〜四行のかたまりでも一段落でもいい。
 三カ所を選択させたら、それぞれの部分について、言いたいこと(コメント)をまとめさせる。次に、順番を考えさせる。ひっかかった部分の三カ所を組み合わせることで、読んだ人がその本を通じて得られた具体的なものが必ず出てくる。
 三カ所だからこそ、その本のもっともおもしろい部分、もっともいい部分、いわゆるおいしいところに絞ることができる。三カ所を切り取る練習を徹底することによって、絞り込みのセンスを磨くこともできる。
 その三カ所について、自分の捉え方を過不足なく書き、順番も考えて構成することで、その本に対する見方、捉え方が明確に出た感想文ができる。
別に子どもだけではない。大人でも「書く力」を養おうとするなら、読書感想文(あるいは書評といってもいい)を、この方法で自分に課してみることは、書くトレーニングになるはずである。

また、この「書く力」のトレーニングは、言語化されていないモヤモヤした感情をまとめなくてはいけない映画が効果的であると述べる。今年のハードスケジュールを鑑み、好きな映画を材料にして、齋藤先生の教えを実践し文章力向上に努めたい。

2014-03-05 00.01.27 2014-03-05 00.01.48

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